【イーサリアムとは?総集編】仮想通貨/ブロックチェーン技術仕組み/変遷

目次

    「仮想通貨」「暗号通貨」「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」「イーサリアム(Ethereum/ETH)」。様々な媒体を通して、これらの単語を頻繁に耳にするようになったのではないしょうか。

    本章では「イーサリアムとは何か?」をテーマにし仮想通貨・暗号通貨の定義、ブロックチェーンの技術や、イーサリアムに関する情報をまとめていきたいと思います。

    第1章【イーサリアムとは?】

    仮想通貨/暗号通貨とは?

    「仮想通貨」とは、「インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用できる通貨」です。特徴として、完全に分散化された仮想通貨は、中央銀行や国等の発行主体・管理者が存在しません。(一部、発行主体が存在する仮想通貨もあります)

    「仮想通貨とは、インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用でき、中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず専門の取引所を介して円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換できます。仮想通貨の種類は600種類以上あるといわれています。」

    (引用:https://bitflyer.jp/ja/glossary/virtual_currency)

    「暗号通貨」とは、仮想通貨の一種であり、暗号技術を応用したものです。暗号技術を用いる事によって、取引上の記録の改ざんや詐称を阻止し、安全性を保証します。 暗号通貨の例として、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン等が挙げられます。この章では、イーサリアムについて解説していきたいと思います。

    「暗号通貨とは、セキュリティ対策として暗号技術が利用されている通貨です。Virtual Currencyとも価値記録とも呼ばれます。公開鍵暗号ハッシュ、その双方を用いた電子署名等の技術が利用されています。暗号通貨の対義語として法定通貨があげられることが多いです。法定通貨は日本円や米ドルなど法律で価値が保証された通貨です。法定通貨はFIAT通貨とも呼ばれます。電子マネーなどの第三者式支払手段は暗号通貨に含まれません。」

    (引用:https://bitflyer.jp/ja/glossary/cryptcurrency

    ブロックチェーンとは?

    イーサリアムの説明に入る前に、まずは仮想通貨にとって必要不可欠な技術「ブロックチェーン」の仕組みを説明したいと思います。

    「ブロックチェーン」とは、仮想通貨における「取引データ」の技術です。取引履歴は「トランザクション」と言い、一定期間における複数のトランザクションの集合体が「ブロック」となります。「ブロックチェーン」とは、これらのブロックが鎖状で保存されたものになります。

    「ブロックチェーン」とは、ビットコインの中核となる「取引データ」技術のことを指します。取引のデータ(履歴)を「トランザクション」と呼び、そして、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」と言います。このブロックが連なるように保存された状態が「ブロックチェーン」です。

    (引用:https://ferret-plus.com/7706

    ブロックチェーンの特徴として、P2P (Peer to Peer) ネットワークを利用しているため、中央集権的な管理組織が存在しません。つまり、ブロックに記録された取引情報がネットワーク上で共有され、ユーザー同士又は複数のコンピューターが「分散」して管理しあう仕組みとなっています(これを分散型取引台帳と言います)。

    更に、「分散型自動化組織」(Decentralized Autonomous Organization / DAO)というシステムを採用しているため、管理主体を持たずに、一定の「ルール」や「プロトコル」に基づいた組織として機能しています。

    「DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略称であり、日本語では一般的に自律分散型組織と呼ばれている。これは2013年ごろから、ビットコイン・ネットワークの運営体制から着想を受けて提唱されたコンセプトで、分散的に、組織や会社、コミュニティ自体が自律して運営されることを表している。組織を会社と言い換えて、DAC(Decentralized Autonomous Corporation)と呼ぶこともある。DAOには特定の主体がおらず、いかなるビジネスルールや制御下に置かれていない。意思決定や意思決定に至るためのプロセス、実行、組織全体のガバナンスや紛争解決は人ではなく、プロトコルが予め定めたルールに従って執行する。これを実現するためには、自律分散型である必要がある。」

    (引用:https://btcnews.jp/dao-and-the-dao-and-bitcoin-governance/

    なぜブロックチェーン上のデータは改ざんが難しいのか?

    ①P2Pネットワーク

    ユーザー間でデータが共有されているので、改ざんが難しい。

    ②中央サーバーが存在しない

    「特定の中央サーバー」が無いため、データ破損が生じた場合においても、他データやブロックから復元可能。

    ブロックは「ハッシュ化」されている

    取引件数、取引量、ハッシュ値、前ブロックのハッシュ値等のデータが、全て鎖状で記録され、取引内容の改ざんやハッキングはほぼ不可能。

    ④プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW)

    コンピュータの演算処理によって、取引承認/マイニング(採掘)が行われる合意形成アルゴリズム。ネットワーク全体の51%以上のコンピュータパワーが無いと改ざんできない。

    ブロックチェーンの種類?

    パブリック型とプライベート型の二種類があります:

    「パブリック型(パブリックチェーン)は、中央集権的な管理期間を持たず、不特定多数のだれでも自由に参加でき、だれでもマイニングに参加できるブロックチェーンを指します。ビットコインが代表的です。」

    「プライベート型(プライベートチェーン)は、管理者がいるのが特徴です。マイニングを行うためには、管理者の許可によってコントロールできるため(パブリック型はマイナーの賛同を得なければならない)、金融システムの管理などに活用できるでしょう。」

    (引用:https://ferret-plus.com/7706

    イーサリアムとは?/ビットコインに次ぐ市場規模

    イーサリアムとは、スマートコントラクトの実装・分散型アプリケーション(DApps)の構築が可能な「分散型」ブロックチェーンプラットフォームです。また暗号通貨・仮想通貨の一種で、通貨単位はイーサ(Ether / ETH)です。ETHは様々な仮想通貨取引所/プロジェクト/DApps等において使用/売買されています。

    「分散型グローバルコンピューティングプラットフォーム」又は「だれでもスマートコントラクトベースの分散型アプリケーション(DApps: Decentralized Applications)を作り、保存して実行できるバーチャルマシンです。」

    (引用:https://gatecoin.com/ja/ethereum/

    ブロックチェーンを使った様々プロジェクトの総称」 

    (引用:http://crypto-currency.site/?p=909

    「スマートコントラストを実行することができる分散型プラットフォーム」

    (引用:https://ethereum.org

    coinmarketcap.comによると、ビットコインの時価総額は$286,070,473,640(約32兆円)で、イーサリアムの時価総額は約$81,331,473,019(約9兆円)です。イーサリアムはビットコインに次ぎ、2位の時価総額を誇ります。

    仮想通貨全体の時価総額$638,237,664,633(約72兆円)で、ビットコイン及びイーサリアムで全体の約57.6%となります。

    (12月21日午後13時調べ 引用:https://coinmarketcap.com

    イーサリアム・クラシックとは?

    イーサリアム・クラシック(ETC)とは、ハードフォークによってイーサリアムから分家した仮想通貨です。イーサリアム上で、「The DAO」というプロジェクトが約150億円に及ぶ資金をICOによって調達しました。しかし、The DAOのスマートコントラクトコードの脆弱性により、日本円で約50億円程の資金が不正に送金されました。これを「The DAO事件」と呼びます。

    事件発生後、イーサリアムコミュニティは「ハードフォークによって、不正送金が行われる前の状態に戻す」という決断に至りました。しかしコミュニティ内では反対派も存在し、この決断に反発したコミュニティによって「イーサリアム・クラシック」が作られました。

    イーサリアムクラシックが生まれた契機は、イーサリアムを利用したプロジェクトであるThe DAOのスマートコントラクトコードの脆弱性を突いて当時の金額で約65億円相当のイーサリアムが不正に送金された『TheDAO事件』と呼ばれる事件です。これに対しイーサリアム開発チームは『ハードフォークによって不正送金が行われる前の状態に戻す』という手段を取ることで解決を図りました。そして最終的にはコミュニティの約90%がこれに賛成し、ハードフォークが実行されイーサリアムの不正送金は無効化されました。

    (引用:http://businessblockchain.org/about-cryptocurrency-ethereum-classic

    イーサリアムの需要と供給

    <供給>

    currexy.comによると、12月19日午前11時時点のイーサリアムの供給・発行量(下記を参照)は96,426,711 ETHです。2014年の初期発行量の7200万ETHに比較すると、約2200万ETH増加しています。今後更に増加する可能性があり、増加以降は一定量に保たれると考えられます。

    (12月19日午前11時調べ 引用:https://www.currexy.com/cryptocurrency/ethereum

    <需要>

    今後、イーサリアムの需要は更に高まることが予想されます。

    現在、多くの人々・団体・企業がイーサリアムの独自の技術「スマートコントラクト」に注目している為、一種の投資対象として多くの投資家を引き寄せています。

    又、イーサリアムを用いて、他のICOプロジェクトへ投資することが出来ます。今後、ICOが継続的に実施されれば、ICOに投資するためのイーサリアム買い需要が更に高まるでしょう。

    更に、イーサリアムやスマートコントラクト技術を応用した分散型アプリケーション(DApps)の構築数増加による需要増大も考えられます。Investing Havenの研究チームによると、約5〜7年後には、DApps数が20〜30倍程の増加が予測されています。

    a. The current and future supply of Ethers

    There are currently 92 million coins of Ether in circulation. Although this number is likely to increase over the next couple of years, it will probably flatline after that. Which means that the developers in charge of Ethereum will make sure that the number of circulating coins stays constant.

    b. Ether applications

    The edge Ether has over Bitcoin is the ability to use smart contracts. These are contracts that are automatically executed without any human intervention the instant their terms are met.

    However, Ethereum also permits developers to build decentralized apps, also known as dapps, on top of its blockchain technology. Interestingly, the more apps are built, the more valuable the Ether becomes.

    The research team at Investing Haven expects that 5 to 7 years from now, we will see a 20 to 30-fold increase in the number of decentralized blockchain apps from the numbers we have today.

    c. Ether demand

    Demand for Ether will be driven by one of two things. Either for its functionality as a currency that is built on a blockchain with several applications. Or as a possible investment vehicle that keeps appreciating in value.

    When it comes to the functionality of Ether, the technology behind smart contracts is what interests people most. However, as we just saw, the building of new applications on top of the Ethereum blockchain will also drive up demand.

    (引用:https://investingpr.com/ethereum-price-predictions-for-2018/

    Who is Vitalik?

    ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、イーサリアムを考案/構想した人物です。彼は幼い頃から仮想通貨に魅了されていました。大学時代には、世界中のビットコインプロジェクトを見回る旅を5ヶ月間続け、ブロックチェーンの更なる潜在性及び可能性に気づきました。同氏は19歳という若さでブロックチェーンの「分散型」という特徴に着目し、イーサリアムの開発に至りました。

    経歴

     1994年:ロシア・モスクワにて生まれる

     2011年:仮想通貨に特化した出版社「Bitcoin Magazine」社の共同設立者となる

         「Thiel Fellowship」(大学中退者に10万ドル支援するプログラム)に選抜

     2012年:ウォータールー大学在学中、情報科学国際オリンピックでメダル獲得

     2013年:19歳の時、イーサリアムを考案する

     2016年:「Fortune」誌の「40 Under 40」に選出

    (写真:http://crypto-currency.site/?p=909

    何の課題解決を目指しているのか 

    ・より安全な仮想取引を実現、透明性の向上

    過去の契約内容が半永久的に保存され、信用情報が自動的に蓄積されます。P2Pネットワーク及びブロックチェーンの仕組みによって、改ざんや偽造を困難にします。

    マイナーの寡占化や集中化問題の解消

    「Proof of Work」という合意形成/承認アルゴリズムは(第2章で説明)、演算が早ければ早いほど、報酬を得られる確率が上がります。例えば、スーパーコンピュータ等の技術を持つ人は、圧倒的に有利です。

    イーサリアムは今後のハードフォークを通して「Proof of Work」(以下PoW)から「Proof of Stake」(以下PoS)に移行する予定です。PoSに移行した場合、「コイン(資産)保有量」によって報酬が貰えるようになり、上記のようなマイニング(採掘)の集中化を避ける事が可能になります。

    ・コストの削減

    第三者や仲介者を必要とせず、ユーザー間で取引を行うので、コストの低下に繋がります。

    第2章【他暗号通貨/ブロックチェーンとの違い】

    ビットコインとの違い/スマートコントラクト

    イーサリアムの最大の特徴は、「スマートコントラクト」という技術です。

    「スマートコントラクト」という呼称及び概念は、1994年に暗号学者Nick Szaboによって提唱されました。Szabo氏は、自動販売機を同概念の「起源」としました。彼によると、自動販売機はとても「シンプルなメカニズム」により、表示価格に基づき硬貨(コイン)を受け取り、商品を提供します。これは一種の契約として成立し、硬貨を持っている人は取引参加者として、業者(仲介者)の介入無しに取引を執行できます。更に、金庫によって、硬貨は攻撃者(窃盗)から守られます。

    「A canonical real-life example, which we might consider to be the primitive ancestor of smart contracts, is the humble vending machine. Within a limited amount of potential loss (the amount in the till should be less than the cost of breaching the mechanism), the machine takes in coins, and via a simple mechanism, which makes a freshman computer science problem in design with finite automata, dispense change and product according to the displayed price. The vending machine is a contract with bearer: anybody with coins can participate in an exchange with the vendor. The lockbox and other security mechanisms protect the stored coins and contents from attackers, sufficiently to allow profitable deployment of vending machines in a wide variety of areas.」

    (引用:http://www.fon.hum.uva.nl/rob/Courses/InformationInSpeech/CDROM/Literature/LOTwinterschool2006/szabo.best.vwh.net/idea.html

    イーサリアムにおけるスマートコントラクトの概念もSzaboの思想に基づきます。

    ブロックチェーン技術を応用したアプリケーションやプラットフォーム上で、コントラクト(契約)の「自動化」によって契約の条件確認から決済/履行までの過程を自動的に執行するプロトコル/プログラムを指します。

    (引用:http://gaiax-blockchain.com/smart-contract

    スマートコントラクトのメリット

    ①トラストフリー(契約相手方を信用する必要/カウンターパーティリスクが無い)

    契約のプログラムに沿って自動的に実行され、改ざんや詐欺を防ぎ、相手の契約を「信用」する必要性を排除します。同時に、取引履歴が公開される為、透明性の向上に貢献します。

    ②コスト低下

    第三者機関/仲介者を必要とせず、契約に関する訴訟等も減少し、コスト削減に繋がります。

    コンセンサスアルゴリズム

    ブロックチェーン上の取引承認プロセスは、予め定められたルール「コンセンサス(合意形成)アルゴリズム」に基づいて実行されます。代表的なアルゴリズムは2つあり、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake / PoS)と呼ばれています。

    プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW)

    「演算量(Work)による証明」を意味し、投入した演算量が多いほど、ブロック承認の成功率が上がります。よって、より多くの報酬をもらえる仕組みとなっています。

    プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake / PoS)

    「コイン保有量(Stake)による証明」を意味し、保有量が大きいほど、ブロック承認の成功率が上がり、報酬をもらえる仕組みとなっています。

    現在イーサリアムは、ビットコイン同様にPoWを採用しています。しかし、2018年に実施予定である第四段階のセレニティへの移行アップデートでは、PoSアルゴリズムへの移行が完了すると見込まれます。

    DApps(分散型アプリケーション)構築プラットフォーム

    Decentralized Applications(以下DApps)とは、直訳すると「非中央集権型・分散型のアプリケーション」です。

    DAppsに投資するDavid Jonston氏のVCファンドの定義によると、DAppsとは、下記要件を全て満たすものを指します:

    ①アプリケーションはオープンソースである。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たない事。トークン・データ・レコード等につき、暗号化・分散化されたブロックチェーンを利用している事。

    ②アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っている事。アプリケーションの利用に際してトークンを利用する事。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われる事。

    ③アプリケーションは、マーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していく事。この改善は、ユーザーのコンセンサスによる事。

    (引用:http://doublehash.me/what-is-dapps/

    (英語版原文:https://github.com/DavidJohnstonCEO/DecentralizedApplications

    第3章【イーサリアムのロードマップ・課題・どう解決していくか】

    4段階の説明

    イーサリアムのアップデートは、大きく分けて、フロンティア、ホームステッド、メトロポリス、セレニティの第4段階に分かれています。各段階における詳細は、下記の通りです:

    第一段階:フロンティア Frontier( 2015年7月〜2016年3月)

    • イーサリアムネットワークの初期リリース
    • DAppsのツール構築が可能
    • イーサリアムネットワークとの適合性テストが可能

    第二段階: ホームステッド Homestead( 2016年3月〜2017年10月)

    • 商業企業向けのプロダクションをリリース
    • プロトコルの改訂:ネットワークアップグレードやトランザクションの高速化
    • MicrosoftやIBMを含む大手がイーサリアムベースのプラットフォーム開発を開始

    第三段階:メトロポリス Metropolis ( 2017年10月〜2018年??)

    • ビザンチウム(2017年10月17日〜)及びコンスタンティノープルの二つのハードフォークに分かれている
    • 4段階において、大きな「肝」と言われている

    第四段階:セレニティ Serenity(2018年〜2019年??)

    • イーサリアムの最終段階 
    • 最大の目標は、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSに移行する事

    Frontier

    The initial release of the Ethereum network that went live in July 2015. It was a bare bones beta release that allowed developers to learn, experiment, mine Ether (ETH), and begin building Dapps and tools.

    Homestead

    The second major version of the Ethereum platform and the first production release of Ethereum, which was made public in March 2016. It included several protocol revisions and a network change that provided the ability for further network upgrades and sped up transactions.」

    (引用:https://www.ethnews.com/ethereums-road-map-for-2017

    今後の課題・具体的な解決策(主にMetropolisアップデートにおいて)

    ①プライバシー保護の強化

    メトロポリスアップデートにおける目玉となるのが、ゼロ知識証明技術です。EIP96、197によって、zk-SNARKs(ゼロ知識証明の手法)が適用されます。zk-SNARKsとは、Zcashの暗号ツールの一つであり、取引内容の詳細を必要とせず、取引の正誤の確認を可能にするプロトコルです。ユーザーの匿名性及びプライバシー保護の向上に繋がります。

    • ゼロ知識証明:暗号理論において、当事者が真実が偽の記述以上の物を受け取ることなく、声明が正しいかどうかを検証する事を可能にする技術(引用:https://consensysmediajapan.com/3181.html

    ②セキュリティの強化

    The DAO事件等、ハッキング被害による問題が顕在化し、セキュリティ面において懸念視されていました。今回のアップデートで、「マスキング」が可能となり、ユーザー自ら秘密鍵のアドレスを決める事が可能となります。セキュリティ強化により、量子コンピュータ等の攻撃に対しても安全となります。

    ③スマートコントラクトの簡略化・プログラミングの負担軽減

    スマートコントラクトの簡略化により、プログラミングが簡素化され、プログラマーの負担を減らします。更に取引実行において、ガスコストの節約にも繋がります。

    ④スケーラビリティ問題/マイニング難易度の向上

    マイナーによって、手数料の高いトランザクションが優先的に処理されます。よって、安い手数料のトランザクションが残り、送金や取引が完了せず、取引承認の遅延が発生しています。これをスケーラビリティ問題と言います。

    解決方法として、承認アルゴリズム/マイニング方式の移行(PoW→PoS)があげられます。PoS移行によって、マイニング時の電力消費量の低減や、処理速度の加速化に繋がります。今回のメトロポリスのビザンチウム・ハードフォークでは、PoS移行は途中段階にあります。移行を完成させる為には、先に「ディフィカルティボム」という問題を解決する必要があり、現在は「エテリアムアイスエイジ」に突入しています。

    ディフィカルティボム問題・アイスエイジとは?

    現在のイーサリアムの平均ブロック生成時間を確認すると30秒に到達しており、15秒の2倍のブロックタイムになっていることがわかり、つまり単純に考えて送金時間が通常の2倍であることがわかります。またこのディフィカルティ増加は指数関数的に増えていくため最終的には恐るべき速度でブロック生成できなくなっていきプロトコルが停止してしまいます。これを通常アイスエイジ(イーサリアムの氷河期)と呼んでいます。

    (引用:https://ethereum-japan.net/ethereum/metropolis-hardfork-byzantium/

    もう一つの解決策として、「シャーディング」(Sharding)があります。シャーディングとは、マイニングを実施する端末を複数のサーバーに繋げ、作業を分散させる事を言います。承認作業が分散される事によって、各端末の作業負荷の減少に繋がります。

    PoS移行時への懸念

    PoSのメリット:

    ①51%問題への対抗力向上

    51%問題とは、個人・団体によって、51%以上が支配される事により、不正に二重支払いになってしまう事があります。この問題は、PoWで生じる問題として取り上げられていて、PoSに移行する事によって、51%問題に対して、より強力になります。

    ②コスト削減

    PoWにおけるマイニング(計算・演算)の際、高額な電気代が発生します。PoSの場合、マイニングを行う必要が無い為、電気代や設備代等のコストを大幅に削減できます。

    ③競争に参入しやすい

    PoS移行によって、高性能コンピュータ等の高価な設備・技術を持たない一般人が競争に参入しやすくなります。

    PoSのデメリット:

    ①一極集中が起こりやすい

    PoSでは、資産を保有する事によって利益が得られる仕組みとなる為、売買せずに溜め込む人が多くなります。しかし、Proof of Stake Velocity(コインの古さによって持ち分評価を下げる事)等の対策によって、この問題は解決します。

    ②Stake Grindingやロング・レンジ等の攻撃

    PoSに移行する事によって、Stake Grindingやロング・レンジ等(下記を参照)、様々な攻撃への対抗力が弱まります。

    「There are also “stake grinding” attacks which require a trivial amount of currency. In a stake[2] grinding attack, the attacker has a small amount of stake and goes through the history of the blockchain and finds places where their stake wins a block. In order to consecutively win, they modify the next block header until some stake they own wins once again. This attack requires a bit of computation, but definitely isn’t impractical.」

    (引用:https://en.bitcoin.it/wiki/Altcoin#Proof_Of_Stake

    ロング・レンジ攻撃とは、攻撃者が、コインもデポジットもない”古い”鍵を持っていて、イベントに匹敵するバージョンを作り出すのにその鍵を使うことができるという攻撃

    この攻撃は、伝統的なproof-of-stakeとセキュリティ・デポジットを基にしたPoSに対して、ジェネシス・ブロックで認証が終わるまで起きる基本的な攻撃

    (引用:http://block-chain.jp/tech/long-range-attack/

    第4章【イーサリアムベースの他暗号通貨/トークン紹介】

    イーサリアム・トークンとは?

    「トークンセール、イニシャルコインオファリング(ICO)、イニシャルトークンオファリングまたはトークンジェネレーションイベント(TGE)として知られるプロジェクト開発のクラウドファンディングの方法として、dapp創設者によってよく作られます。ほとんどの場合、dappがリリースされるとき、トークンはそのdappの通貨または燃料として使われ、AWSクレジットと似たような役割を演じます。」

    (引用:https://gatecoin.com/ja/ethereum/

    それでは、DAppsの事例やDApps内で使用される通貨・燃料として頻繁に使用されるトークンの例を見ていきましょう。

    AirSwap

    https://www.airswap.io

    プロジェクト概要

    AirSwapとは、Michael Oved氏及びDon Mosites氏によって開発された「分散型ERC20トークン交換プラットフォーム」です。ERC20トークンを交換するための分散型P2PプロトコルであるSwapを実装したサービスであり、「取引所を介さずに個人対個人で直接ERC20トークンの売買」が可能になります。

    オプションとして「Oracle」という機能を提供しています。 この機能を通じて、トークンの適正価格を世界中のマーケット/外部データソースから引っ張り出し、取引の際に参照する事ができます。AirSwapは、柔軟且つオープンな環境を提供し、トランザクションを促進すると共に、コスト削減や公正性(フロントランニングの防止等)を実現します。

    AirSwapは一言でいうと、「分散型のERC20トークン交換プラットフォーム」です。この分散型交換システムは、英文表記するとDecentralized Exchangeとなり一般的に「DEX」と呼ばれます。ERC20トークンとは、ERC20という規格/基準に則って発行されたイーサリアムベースの仮想通貨で、この規格は9月12日にEthereum Foundationのエンジニアよって正式に制定されました。AirSwapは、Ethereumブロックチェーン上で、ERC20トークンを交換するための分散型ピアツーピアプロトコルであるSwapプロトコルを実装したサービスです。要約すると、Swapはプロトコルで、Swapを使ったサービスがAirSwapということです。

    (引用:https://consensysmediajapan.com/2763.html

    今後のロードマップ

    AirSwapの公式ブログにて今後のロードマップが紹介されています。

    (引用:https://blog.airswap.io/the-airswap-roadmap-1c1a3c3b20d3

    Q4 2017 Token Trader:マーケットメーカーにP2Pを提供する

    Q1 2018 Token Market Place:DEXにおいて、P2Pを「当たり前の選択」にする

    Q2 2018 Partner Network:パートナーと組み、グローバルなP2Pネットワークを提供する

     

    ICO概要

    ・日時:2017年10月10日 午前10:10から午後10:10(EST)

    ・参加者数:12,719名

    ・調達額:$12,600,000(約14億円)※2017年10月10日付近のレートで計算

    ・トークン供給数:42,000,000AST

    Gnosis

    https://gnosis.pm

    プロジェクト概要

    Co-Founders、Martin Koppelmann氏及びStefan D George氏によって、2015年1月より始動したプロジェクトです。Gnosisとは「イーサリアムベースの分散型予測市場プロジェクト」です。特徴としては、株式市場等の場面において、クラウド(群衆)の知恵を通じて将来の出来事を予測する先物取引のような仕組みとなっています。ユーザーはイベントの結果についてYESかNOを選択し(バイナリーポジション)、購入・トレードができます。

    世界中のユーザーを接続するパブリックネットワークを提供し、限られた人材のみが意思決定を行う「中央集権型意思決定」から世界中の群衆が意思決定を行う「分散型意思決定」への移行を促進します。Gnosisは今後、保険、IoTやAI、金融市場等の様々な場面における活躍が期待されています。ConsenSys社も支持しています。

    Gnosis(ノーシス)はイーサリアム上に構築された分散型予測市場プラットフォームです。Gnosisは誰でもあらゆるイベントの結果を予測できるオープンなプラットフォームを提供し、予測市場アプリケーションの作成やカスタマイズを劇的に単純化させることを計画しています。

    GnosisはConsenSys社が支持するプロジェクトで、マーティン・コッペルマンとステファン・ジョージによって創業、2015年1月よりプロジェクトが始動しています。このFounderの2名は2013年に、ビットコインブロックチェーン上に予測市場プラットフォーム「Fairlay.com」を創業しています。

    (引用:https://consensysmediajapan.com/2546.html

    今後のロードマップ

    Gnosisの公式ブログにて今後のロードマップが紹介されています:

    (引用:https://blog.gnosis.pm/2017-retro-and-the-year-ahead-42959d1380b5

    Q2 2018 Crytoeconomic Experiments:暗号化経済における実験

    Q1 2018 Reality Keys/Oracle Integration:Reality Keys等のプロバイダー統合

    Q1 2018 GNO/WIZ Functionality:GNO/WIZ機能のリリース

     

    ICO概要

    ・日時:2017年4月24日 開始

    ・参加者数:???

    ・調達額:$12,500,000(約14億円)※2017年4月24日付近のレートで計算

    ・トークン供給数:10,000,000GNO

    Blockmason

    https://blockmason.io/#home

    プロジェクト概要

    Blockmasonは主に4つのプロジェクト(Credit Protocol, Foundation, Friend in Debt, Giftchain)に取り組んでいます。最終的にはこれらの4つのプロジェクトが相互的に連携しあい、一つのまとまったプロトコル/システムとして機能します。「送金=価値の移動」という概念から「権利の取引」への移行、また「分散型経済」における次ステップである「信用の民主化」の実現を図ります。チームはJared Bowie氏、Timothy Galebach氏及び Michael Chin氏の三名のCo-foundersを含みます。

    Blockmasonはイーサリアムブロックチェーンのテクノロジーを駆使し、複数のプロジェクトを立ち上げ、相互的に連携し合うプロトコル/システムを開発しているチームです。主に貸借/信用に関する情報を、イーサリアム上に記録し取引できるよう目指しています。

    今までの「送金=価値の移動」から「権利の取引」へ、本来イーサリアムが目指しているスマートコントラクトの概念を具現化するプロジェクトです。単なるキャッシュフローに留まらず、企業/個人はより大きな経済活動を行うことが可能になる仕組みと考えられます。

    (引用:https://consensysmediajapan.com/2865.html

    4つのプロジェクトの基盤となるのが、Credit Protocolです。イーサリアム上で、貸借/信用/債務情報を記録・保管を可能にするプラットフォームです。下記ICO概要はBCPT(Blockmason Credit Protocol Token)のトークンセールに関する情報です。

     

    ICO概要

    ・日時:2017年10月8日〜11月8日

    ・参加者数:???

    ・調達額:$15,300,000(約17億円)※2017年11月8日付近のレートで計算

    ・トークン供給数:33,700,000BCPT(トークン全体の29%)

    (引用:https://blockmason.io/creditprotocol/

    Bancor

    https://www.bancor.network

    プロジェクト概要

    2017年設立以来、イスラエルに本拠を置くBprotocol Foundationがリードし、Eyal Hertzog氏、Guy Benartzi氏、Galia Benartzi氏等のメンバーによって進められているプロジェクトです。「スマートトークン」という新世代の暗号通貨の標準を作る事を目的としています。第2次世界大戦後、ケインズとシューマッハが構想した世界の中央銀行としての役割を担う「幻の世界通貨バンコール」から、思想的影響を受けています。

    バンコール(bancor)は、1940年から1942年にジョン・メイナード・ケインズとエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハーが提案した超国家的な通貨のことを言う。第二次世界大戦後に世界経済を安定させるため、英国がブレトン・ウッズ会議でバンコールの導入を公式提案したが、アメリカ合衆国の合意をとりつけることができず、実現には至らなかった。

    (引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/バンコール

    この新世代の暗号通貨は、市場における取引・売買量のバランスを保ち、継続的な計算に基づいた価格で提供されます。スマートトークンである「Bancor」は、ERC20(イーサリアムのトークン標準)の交換を行う為の「中間トークン」であり、リクイディティ・プールとして機能しながら市場に流動性の向上をもたらす事を目的とします。

    プロジェクトはイスラエルに本拠を置くBprotocol Foundation(2017年設立)がリードし、LocalCoin Ltd.の主要メンバーであるエヤル・ハートゾグ、ガイ・ベナッティ、ガリア・ベナッティが中心となり開発が進められている。

    バンコール・プロトコルは、イーサリアムのトークン標準であるERC20の交換をスマートコントラクトを用いて行うための中間トークンだ。Bprotocol Foundationは、バンコールのトークンであるBNTを「スマート・トークン」と呼び、イーサリアム・ネットワーク上のリクイディティプールとして機能させることを主眼においている。

    (引用:https://btcnews.jp/5k8o872y11509/

    同社の公式ページ(https://www.bancor.network/protocol)によると、Bancorを用いる事によって、様々なメリットがあります:

    ・Convert tokens directly on-chain:トークンをオンチェインで交換

    ・No counter party, no counter party risk:カウンターパーティのリスクを削減

    ・All tokens welcome, big and small:値段や規模に関わらず、全てのトークンが対象となる

    ・Formulaic Price Stability:計算式による価格の安定性

    ・Predictable Price Slippage:予測可能な価格スリップ

    ・Adjustable "Connector", adjustable liquidity:調整可能な「コネクター」及びリクイディティ

    ・Buy/Sell at same price, no spread:スプレッド無しに、同価格での売買

     

    ICO概要

    ・日時:2017年6月12日、10:00GMT 開始

    ・参加者:10,885名

    ・調達額:$152,300,000(約172億円)※2017年6月12日付近のレートで計算

    ・トークン供給数:79,323,978BNT(トークン全体の50%)

    (引用:https://medium.com/@EthereumRussian/ico-details-of-bancor-network-bnt-tokens-8607bdc1685c

     

    トークンの配分/用途を表すグラフです:

    (引用:https://medium.com/@EthereumRussian/ico-details-of-bancor-network-bnt-tokens-8607bdc1685c

    (引用:https://medium.com/@bancor/bancor-network-token-bnt-contribution-token-creation-terms-48cc85a63812

    Grid+

    プロジェクト概要

    Grid+とは、ConsenSysチームが手掛ける、電力配電システムプロジェクトです。具体的には、パブリック・イーサリアム・ネットワーク上で登録と支払いを行う「分散型電力供給プロバイダー/マーケット」です。

    グリッドの情報処理能力が発達していない為、電力コストの約38%が電力損失によるものです。Grid+は、既存のグリッドに新レイヤーを追加し、エネルギー市場の再定義を行うと共に、効率を上げるエネルギー配分方法を既存インフラに提供します。結果的には、リスクと管理コストを大幅に削減します。

    Grid +は、世界中のエネルギー界を再定義しようとする電力配電システムです。ブロックチェーン・ソフトウェア会社ConsenSysは、Grid +と呼ばれる新たな配電レイヤーの導入を発表しました。 イーサリアム・ネットワーク上に構築されているため、登録ユーザはリアルタイムで支払いを決済し、エネルギー使用を最適化することができます。 これにより、電力損失のために発生した管理コストが大幅に削減されます。」

    (引用:https://consensysmediajapan.com/2938.html

    ICO概要

    ・日時:2017年10月30日 12:00PM(EST)

    ・参加者数:???

    ・調達額:$44,713,000(約50億円)※2017年10月30日付近のレートで計算

    ・トークン供給数:90,000,000GRID(トークン全体の30%)

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