【イーサリアム】2017-2018 相場高騰 価格変動 チャート

目次

    仮想通貨の価格変動には目を見張るものがあります。2017年初めには約10万円であった1ビットコイン(Bitcoin/BTC)が一時200万円を超える事態を迎えたり、その後半分以下の値段にまで落ち込んだりしています。仮想通貨のそれらの変動は当然に様々な要因が起因となっています。動きの多い仮想通貨価格に対し、巷では多くの仮想通貨に関する価格予想、予測が行き交っています。今回は予想、予測ではなく事実、要因をまとめていきます。しかし、取り上げる仮想通貨はビットコイン(Bitcoin/BTC)ではなくイーサリアム(Ethereum/ETH)になります。

    仮想通貨市場でビットコイン(Bitcoin/BTC)に次ぐ市場規模を誇る仮想通貨「イーサリアム(Ethereum/ETH)」が、12月12日(火)午前6時頃より、チャート上で大幅な価格上昇を開始しました。本記事では今回の価格上昇を受けて、2017年から2018年新年早々の大きな価格変動に焦点を当て、その上昇・下落要因となりうる要素やトピックについて解説を行います。

    2017年6月12日 イーサリアム4万5千円突破

    (引用:https://coincheck.com/ja/exchange)

    イーサリアムの価格は大幅に上昇し、マーケットシェアの31%の割合を占めました。これに対しビットコインは6月初旬までは仮想通貨市場の80%を占めていましたが、39%まで下落しました。上昇した要因としてはサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの成功とプーチン大統領のイーサリアムブロックチェーンに対する評価が考えられます。

    要因①:プーチン大統領とヴィタリック、イーサリアムについて話し合う

    サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムでプーチン大統領とイーサリアム開発者であるヴィタリックは6月初旬にブロックチェーンについて意見を交わしました。ヴィタリックとプーチン大統領が話した内容はほとんど明かされておりませんが、プーチン大統領はブロックチェーン技術によりロシア経済のIT化を進め、ブロックチェーンに関わる産業を全力でサポートするという意向を示しています。

    またフォーラムでロシア副首相Igor Shuvalov氏はプーチン大統領は新しいデジタル経済システムを自国内で構築することに非常に意欲的であり、現段階で3つのアプリケーション(物流追跡機能、デジタルアイデンティティ、所有権保護)を使って模擬実験を行なっていることに言及しました。

    “Putin is really enthusiastic about the idea of building a new digital economy in the country and shared that at the moment at least three directions of Blockchain application are being explored and tested, which include the tracking of goods, building identity as well as ownership rights protection systems.”

    “the president is ready to give full support for the development of Blockchain technology, what would definitely result in a much greater volume of investments coming into the country”

    (引用:https://cointelegraph.com/news/suddenly-vladimir-putin-meets-vitalik-buterin-endorses-ethereum) 

    要因②:サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの成功

    サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムではイーサリアムコミュニティの代表としてヴィタリックがプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは多くの人の興味を引き、30億ユーロの融資を受けることに成功しました。

    2017年7月16日 イーサリアム1万7千円代まで暴落

    (引用:https://coincheck.com/ja/exchange)

    イーサはたったの一ヶ月で半額以下に価格が下落し、マーケットシェアも18%までに落ちました。これには2つの要因が考えられます。

    要因①:ヴィタリック・ブテリン死亡説、MEW脆弱性発見の噂

    ヴィタリック死亡説、MyEtherWalletのセキュリティに脆弱性があるというフェイクニュースが立て続けにツイッター、Reddit上で流れイーサ暴落の一因となりました。仮想通貨市場は非常に不安定であり、例えただの噂話であっても価格に大きな影響を及ぼす可能性があることを示す出来事でした。

    要因②:ICO活発化によるイーサリアムブロックチェーンの渋滞

    質の悪いコーディング が含まれるICOのトランザクションがイーサリアムブロックチェーンを詰まらせ、これによりブロック生成速度に大きな遅れを生じ、取引所がイーサの取引を一時的に中止する事態を招きました。取引所がイーサの取引を再開させると大量の売り注文が入り、価格が大きく下落し1万7千円代へと向かう下降トレンドを引き起こすことになりました。

    2017年11月24日 イーサリアム5万円突破

    (引用:https://coincheck.com/ja/exchange)

    9月4日に中国当局がICO全面禁止を発表した影響を受け、イーサリアム価格は2ヶ月ほど停滞していましたが、仮想通貨市場全体の拡大とICO投資の活発化により勢いを取り戻しました。ICOへの投資額は1月の時点では3.2百万ドルでしたが、7月になるとその投資額は7.2億ドルに増加し、結果的に、イーサリアムの価格を5万円まで押し上げることになりました。下の図を見ると仮想通貨市場全体が10月、11月続けて大きく上昇していることがわかります。

    (2017年2月28日〜11月28日 仮想通貨時価総額 引用:https://coinmarketcap.com/charts/

    2017年12月12日 イーサリアム6万円突破

    (2017年12月11日〜12日・午後12時5分調べ イーサリアム価格推移 引用:https://coincheck.com/ja/exchange

    要因①:CryptoKitties

    一つの上昇要因として、最新のイーサリアム・プロトコルを応用したDApps「CryptoKitties」があげられます。

    CryptoKittiesとは?

    11月28日に発足された、イーサリアムをベースとした新型の「タマゴッチ風」のゲーム/DAppsです。「CryptoKitties」は、仮想通貨上の子猫の事を指します。ゲームの仕組みとしては、各猫は独自の「Cattributes」(遺伝的特徴)を持ち、ユーザーは珍しい特徴を持つレア度の高い猫を集めるのを目的とします。https://www.cryptokitties.co

    ゲーム上では既に1200万ドル(約13億6000万円)近く取引されていて、高値の猫は10万ドル(約1100万円)程の価格で取引されています。

    CryptoKitties, the Ethereum-based digital kitten collectibles game, has processed more than $12 million in sales on its decentralized marketplace.」

    (引用:https://cointelegraph.com/news/cryptokitties-sales-hit-12-million-could-be-ethereums-killer-app-after-all

    ETH Gas Station(イーサリアム上の取引量/ガス消費量を追跡・計算するサイト)によると、同アプリ上の取引はイーサリアム取引上の1500ブロック(直近)の内、14.01%を占めています。DAppsランキングで上位を占めるEtherdeltaの取引量を超える事がわかります。

    (12月12日午前11時点 引用:https://ethgasstation.info/gasguzzlers.php

    この現象に対しイーサリアム開発者・ブテリン氏は「CryptoKittiesはまるで世界そのものを鏡で写したもの」だとツイート。同投稿には、関連記事として「ダヴィンチの作品Salvator Mundi、$450 millionで落札」というブルームバーグによる記事を貼り付けています。

    オークション落札者にとってこの作品には価格相応の価値があり、仮想通貨の市場においてもこれは同様です。現に、10万ドル(約1100万円)で「仮想ネコ」を購入している人もいます。ブテリン氏はこの投稿及びCryptoKittiesの現象を通じて、世の中には「実質的な価値」(intrinsic value)は存在せず、個々にとってモノの価値は相対的である事を指摘していると考えられます。

    「Ethereum co-founder Vitalik Buterin provided the auction of Leonardo Da Vinci’s Salvator Mundi as an example. The painting by Da Vinci was auctioned off to a Saudi price at $450 million, by Christie’s. The painting could represent $450 million in value to Saudi Prince Bader bin Abdullah bin Mohammed bin Farhan Al Saud, the buyer of the painting, but to others, the painting may not be worth that amount.」

    (引用:https://cointelegraph.com/news/cryptokitties-sales-hit-12-million-could-be-ethereums-killer-app-after-all)

    更に、earn.comのCEO、Balaji Srinivasan氏は、「(同アプリ)は、ブロックチェーン上のフリクションレス(無摩擦)且つ国際的な仮想資産の取引が可能だという事を立証している」と主張しました。今後、このフリクションレス且つシームレスなプラットフォームが、様々な業界に導入される事が見込まれます。

    「While the vast majority of CryptoKitties critics perceive the platform as a simple collectibles game, prominent venture capital investor, Andreessen Horowitz partner, and Earn.com CEO Balaji Srinivasan explained that CryptoKitties has demonstrated frictionless international trading of digital assets on a Blockchain at a large-scale.」

    (引用:https://cointelegraph.com/news/cryptokitties-sales-hit-12-million-could-be-ethereums-killer-app-after-all)

    要因②:ICO・イーサリアム関連プロジェクトの増加

    一種のトレンドとして、ICO(仮想通貨による資金調達)が上昇している事がわかります。

    Coinscheduleの統計によると、2017年度におけるICOの調達額合計は、$3.6 billion(約4000億円)を超えています。

    (12月12日午前11時点 引用:https://www.coinschedule.com/stats.html

    同年、ETHは5000%近く上昇しています。ICOやプロジェクトの多くは、イーサリアムのブロックチェーン技術やネットワークを利用したものです。よって、イーサリアムとICOは相関関係にあり、近年のイーサリアムの価格高騰はICOやプロジェクト件数の増加に起因しているといっても過言ではありません。

    イーサリアムブロックチェーン応用の企業事例としては、UBSやスイス銀行等が、スマートコントラクトを応用した金融データの照合プラットフォーム「Madrec(Massive Autonomous Distributed Reconciliation Platform)」の開発途中にある事があげられます。当事実は、12月11日(米日時)のcoindeskによる記事にて明かされました。

    要因③/考察:BTCの落ち着き、法定通貨から仮想通貨市場への流通

    CBOE(シカゴ・オプション取引所)は、12月11日8AM(日本時間)に、ビットコインの先物取引を上場しました。上場直後、投資家達は楽観的な姿勢を表し、ビットコインの価格は急騰しました。ブルームバーグによると、取引開始後の短時間で価格は一時26%上昇し、過度なボラティリティ抑制のため、取引が2回停止された程です。

    しかし、先物取引の利用拡大が期待される一方で、懸念の声も上がっています。

    DV ChainのCEO・Garrett See氏は「取引に際して求められる高い資本要件や厳しいリスク制限も市場参入の障壁となる」と分析しています。

    「一方、DVチェーンのギャレット・シー最高経営責任者(CEO)は『すべてのブローカーが初めからビットコイン先物を扱うわけではないため、現時点で先物取引をしたくても、なかなか市場に参入できない人がいる』と指摘。『取引に際して求められる高い資本要件や厳しいリスク制限も市場参入の障壁となる』と分析する。」

    (引用:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/171212/mcb1712120500021-n1.htm

    この様に、ビットコインの急騰が落ち着いた事を背景に、これらの投資から得た利益をイーサリアムやライトコイン等、様々な仮想通貨に再投資している投資家も多いのではないでしょうか。法定通貨から仮想通貨市場への流通・移行トレンドが見られる中、今後の暗号通貨/仮想通貨市場への期待が膨らみ、保有資産の分散化・多様化という傾向が見られます。

    もう一つの見解としては、BTCの先物上場や先物取引が開始されたことにより、ETHの先物上場への期待が膨らんだ事です。イーサリアム先物上場を見据えた投資家による買いが発生し、ETH価格高騰に貢献したと考えられます。現に、CBOE会長Chris Concannon氏は、イーサリアムやビットコイン・キャッシュにおける先物取引上場も、近いうちに起こりうる可能性があると述べています。

    「Chicago Board Options Exchange (CBOE) president Chris Concannon has signaled the potential introduction of Ethereum and Bitcoin Cash futures. This comes just a day after the U.S. Commodity Futures Commission (CFTC) announced CBOE and two other exchanges could proceed with their own bitcoin-based futures products.」

    (引用:https://www.bitsonline.com/cboe-ethereum-bitcoin-cash-futures/)

    2018年1月8日 イーサリアム15万円突破

    (2018年1月9日〜10日・午前11時50分調べ イーサリアム価格推移 引用:https://coincheck.com/ja/exchange

    要因①:売り圧の減少

    イーサリアムの高騰要因として、マイニングの報酬減少(EIP186)があげられます。PoS移行前の段階として、1ブロックの報酬を5ETHから1.5ETHまでの減少を予定しています。更に、今後のハードフォークで予定されているCasper(PoWからPoSに移行)の実装を通して、ETHの発行数の制限を図ります。

    上記要因により、マイナーによる売り圧力が低下し、一種のデフレ状態をもたらし、最終的には、価格維持効果が見込まれます。1月1日にCasperのテストネットのα版がリリースされ、マイナー報酬減少やPoS移行への期待が更に高まっていると考えられます。

    EIP186:PROOF OF STAKE導入前にETHの発行数を減らす

    現在イーサリアムのブロックをマイニングすると、1ブロックにつき5ETHの報酬を得ることができます。ですがイーサリアムはコンセンサスアルゴリズムをProof of WorkからProof of Stakeへの移行を2015年から進めています。その理由として”アイスエイジ”という問題が目の前に差し迫っています。

    ブロック報酬を減少する目的

    $ETHの発行数を減らすことによって価格維持効果が期待でき、プラットフォームへの投資を更に促進し、オファーまたは減少したトークンのインフレレートオファー予定の競合するプラットフォームのプロモーターによるイーサリアム価格への投機攻撃を防止することを狙いとしています。

    発案者はイーサリアムファンデーションのVitralik Buterinを含む、おおくの人々が携わるETHトークン発行レートについてのコミュニティでの議論を基にしています。」

    (引用:https://ethereum-japan.net/ethereum/mining-rewards-eip186/

    要因②:取引ボリュームの増加

    二つ目の要因として、イーサリアム取引量の増加があげられます。Etherscanのチャートによると、合計1億2863万件の取引があり、日々100万件以上の取引が発生しています。需要と供給の観点から、取引量の増加による価格の高騰とも言えます。

    (2018年1月10日・午後13時調べ 引用:https://etherscan.io/

    要因③:リップルの暴落

    仮想通貨XRP(リップル)は昨年12月から今年1月にかけて急高騰しました。2018年1月3日に、一時的に2位のイーサリアムを抜いた程です。今後の活用や Coinbase上場への期待が高まることで、2017年は著しい成長を遂げる事になりました(伸び率360倍)。

    しかし、Coinbaseの公式ツイッター(1月4日投稿)では、リップルの上場を否定しています。

    これらの要因からバブルが懸念され、現在ではリップルの調整が窺えます。よって、イーサリアム高騰要因の一つとして、リップルの暴落によるイーサリアムへの資金流出が考えられます。

    要因④:スケーラビリティ解決への期待

    ブロックチェーン上の一つのブロック内に収まるデータ・取引情報の容量には限度/制限があります。結果として、処理能力の低下、送金遅延、手数料の増加やトランザクションの詰まり(集中化)等の問題が顕在化しています。これらを一括して「スケーラビリティ問題」といいます。

    スケーラビリティ問題の解決策として、「シャーディング」があげられます。

    シャーディングとはブロックチェーンの「状態」の分割を通じ、複数のノードで承認作業を分散して実行させる技術を指します。この技術を通じて、本来の非中央集権的性質を保持しながら、各ノードの負担の低減を実現します。現に、イーサリアムの生みの親であるVitalik Buterin氏も、ブロックチェーン技術の開発チーム等を支援する補助金プログラムを発表しています。

    「シャーディングは、このトランザクションの検証作業をノード群ごとに役割分担し、検証作業を並列化していくことを目指しているのです。つまり、1000のノードが50ノードずつの20グループに分かれて、それぞれのグループが分担分のトランザクションを検証することになります。この場合、1つのグループ(50ノード)は5つ(=100/20)のトランザクションを検証するだけです。

    この例で考えると、1つのノードが100回の検証作業を行わなくてはいけなかったのに対し、シャーディングの導入により5回の検証作業で済むようになったことになります。そして、グループごとに同時進行でトランザクションを処理していくことができます。

    シャーディング(Sharding)とは元々データベースシステムの用語で、データベースを水平方向に分割することを意味しています。イーサリアムにおいても同様で、ブロックチェーンの「状態」が分割されて複数のシャード(Shard)が存在することになります。

    それぞれのシャードは上述のように異なるノード群によって検証されブロックに追加されていくのです。シャードごとに並列してトランザクションの処理を行うことができるので大幅なパフォーマンス向上が見込めることになります。」

    (引用:https://zoom-blc.com/sharding-ethereum

    まとめとして、イーサリアムの高騰にはマイニング報酬の減少、取引量の増加、リップルの暴落、シャーディングへの期待等、様々な要因があります。

    2018年は「イーサリアムの年」と言っても過言ではない程、イーサリアムの注目銘柄としての存在感が高まりつつます。イーサリアムの共同開発者・Steven Nerayoff氏は、2018年にイーサリアム価格は3倍上昇し、ビットコインを超えると予想しています。

    「イーサリアムの共同開発者であるSteven Nerayoff氏はCNBCのインタビューでイーサリアムの価値は2018年に3倍となり、ビットコインを抜く可能性があると述べた。

    彼は、イーサリアム上でのプロジェクトが指数関数的に増加しており、今現在数十億ドルのエコシステムが形成されており、それが今年は10倍に増えると説明している。ビットコインにないスマートコントラクトを活用し、Fintech分野において幅広い企業が、イーサリアムプロトコルが提供できる価値に注目し始めていると語った。

    ビットコインは投資分野として多くの人々が関心を向けているが、イーサリアムはより多くの分野に適応可能であるとして、全体的な拡大スペースが大きいとしている。」

    (引用:http://cryptocurrencymagazine.com/ethereums-co-creator-predicts-a-flippening-with-bitcoin-in-2018

    今後のハードフォークを通して、イーサリアムが抱える課題や懸念(スケーラビリティ問題等)が解決されれば、主要ブロックチェーン・プラットフォームとして幅広い分野への活用が期待されるでしょう。

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