ビットコインやイーサリアム等の、仮想通貨バブルは弾けたのか?

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    ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)等の、仮想通貨バブルは弾けたのか?

    2017年12月17日に$20,000を記録したビットコインは、たったの五日間で$12,000まで暴落しました。その後、一度$17,000まで一度持ち直しますが、各国の規制、コインチェック騒動の影響を受けてなのか、いまだに下落が収まる様子はなく、仮想通貨全体の市場規模は大きく縮小しています。このような背景からビットコインのバブルは既に弾けており、ビットコインは終焉の手前にあるという予測を立てる専門家も多くみられます。この記事では、今回の暴落の要因と今後予想される値動きについて分析します。

    バブル崩壊?

    今までビットコインや他のアルトコインは何度も大幅な暴落を経験しており、その度にその下げ幅以上の急上昇を見せてきました。しかし今回は、仮想通貨の時価総額が8300億ドル(世界の金融資産の総額は約294兆ドル)を記録してから暴落しており、世界の金融資産時価総額の0.3%をも占めてから、短期間で半分以下(3200億ドル)に減少したということを考慮すると、まだ時価総額が100億ドルだったころの暴落とは異なった意味をもつ事がわかります。

    世界金融危機を予言した事で有名な経済学者、Nouriel Roubini氏は「ビットコインはたったの一週間で30%下落した。このままゼロに向かうだろう」、「ビットコインや仮想通貨はバブルかもしれないが、ブロックチェーン技術は革新的な技術だと主張する人がいる。しかしブロックチェーン技術自体は10年以上前から存在しており、ビットコインや他のアルトコインなどのアプリケーションにしか利用されておらず、これら仮想通貨は“詐欺”である。」と、仮想通貨の根底にあるブロックチェーンまでを批判し、仮想通貨業界の終焉を予測しています。

    またアナリストのLukman Otunuga氏は「完全に売手が主導権を握っており、規制に敏感になっている投資家はさらに投資する意欲を失っている」と主張しました。これらの発言からわかるように、仮想通貨市場はかなり見通しが悪い状態であり、完全にバブルが崩壊したという見解も多いです。

    “been around for 10 years, and the only application is cryptocurrencies, which is a scam,”ーNouriel Roubini

    (引用:https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-02-02/roubini-says-bitcoin-is-the-biggest-bubble-in-human-history )

    “Price action suggests that bears are clearly in control, with further losses on the cards as jitters over regulation erode investor appetite further.”ーLukman Otunuga

    (引用:https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-02-02/bitcoin-drops-below-8-500-as-cryptocurrency-misery-continues )

    しかし、現在の暴落はバブル崩壊ではなく、いくつかの直接的な要因によって引き起こされたものであり、再度上昇するという見方もできます。

    テザーに関する疑惑

    Tether(テザー)とは1ドル=1USDT(1米ドルトークン)の価格を常に維持するよう設計されたステーブルコインであり、Tetherのホームページでは、一個一個のトークンがドルで裏付けされていると表示されています。つまり、テザーが発行したUSDTとリザーブしてある米ドルの比率は1:1であるという事になります。

    しかし現在、実際にはドルの裏付けなしに、USDTを大量に発行した疑いが持たれています。これが事実だとすると、USDTをいくらでも発行できる事になり、そのUSDTでビットコインなどの仮想通貨を実質0ドルで購入する事が可能になるのです。ビットコインが暴落した時期と同時期に、USDTの発行数が急激に増加していました。

    このことからテザーと強い関係を持つBitfinexが、暴落時にビットコインをUSDTで購入し、ビットコインの価格を釣り上げていた可能性が指摘されています。Nouriel Roubini氏は、Bitfinexが実際に人為的に価格を釣り上げていた場合、ビットコインの市場規模が80%減少する可能性があるとしています。またTetherが監査法人「Friedman LLP」との関係を打ち切ったことから、疑惑がますます深まっています。

    このような懸念があることから、最近の仮想通貨市場の強い下降トレンドを招いた最も大きい要因として、テザーに対する不信感の募りがあげられます。

    各国の仮想通貨に関する規制

    2017年は様々なアルトコインが生まれ、ICOも盛んに行われた年でしたが、同時に各国は資金洗浄や脱税に利用されることを恐れ、規制を強める国が増加しました。韓国、中国はその代表例で、過熱する投機を抑えるため、韓国は取引する際の本人確認の規制の強化、中国は集中型の取引所の閉鎖とICOの禁止を発表しています。またエジプトのイスラム教最高指導者シャウキー・アラム師は2018年1月1日、ビットコインへの投資がイスラム教の教義で禁止されている賭博に似ている事から禁止するという宗教見解を表明しました。

    コインチェック騒動

    2018年1月26日0時2分、コインチェックは580億円分の仮想通貨NEMを盗まれました。コインチェックは、流動していない分は安全性の高いコールドウォレットに保管しているとしていました。しかし実際には、NEMのほとんどがホットウォレットに保管されており、素早い取引を実現する一方で、安全性に欠落し、ハッキングという深刻な事態を招きました。

    コインチェックはビットコイン取引量の約10%を扱っており、閉鎖する可能性などから価格の下落に影響したと考えられます。また、ずさんなセキュリティー対策が公になった事により、日本人投資家の仮想通貨業界に対する信頼性に大きく傷がついた事は明らかです。

    (引用:https://coincheck.com/ja/documents/security )

    この様に立て続けに重大な問題が生じた事が、現在の市場での強い売り圧の要因となっていることが予想されます。

    回復か、さらなる暴落か

    現在も価格は激しく下がり続けており、反発の気配を見せないビットコイン、イーサリアムですが、このまま下がり続けるのでしょうか?

    回復のシナリオ

    仮想通貨の市場価値が回復するには、かなりの時間を要する事が予想されます。世界の金融資産総額の0.3%を占めてからの大幅な下落により、知名度を大幅に上げながらも、多くの機関投資家や大衆に、高リスクの投機対象として認識されてしまったと考えられます。また、立て続けに起こったテザー問題、規制、コインチェック騒動は長い間、仮想通貨市場にべアリッシュな圧力をかけ続けるでしょう。

    しかし、Mt.Gox事件の影響で日本人から好ましくない印象を持たれていたビットコインでしたが、日本でも広範囲に普及し、日本は仮想通貨大国とまで言われる様になりました。またハッキングや規制は、仮想通貨初期の頃から繰り返し暴落の要因となっていました。そのため、短期的には大幅な上昇は期待できませんが、長期的には元の水準まで戻る可能性が考えられます。

    実際に、ビットコインは2013年12月には$1000を記録したものの、中国の仮想通貨規制とMt.Goxハッキングの影響で緩やかな下落を続け、2015年には$200まで下がりました。その後、2016年12月に再度$1000を記録し、2017年には周知の通り激しく上昇する事になりました。

    この様に悪材料の影響から回復すると、大きく上昇する可能性は十分考えられます。元JPモルガンの株式ストラテジストで現在は市場調査会社を経営するTom Lee氏は「過去の暴落後には84日以内に~150%の反騰が起こっている」と指摘しており、2018年の年半ばで$20,000を超え、年が終わる頃には$250,000に到達すると予測しています。

    「Past sell-offs were followed by rallies of ~150% within 84 days,” Lee said. “In other words, we think the risk/reward at these levels warrants adding here, even if there is additional downside.」ーTom Lee

    (引用:https://www.ccn.com/positive-story-remains-intact-wall-street-strategist-tom-lee-not-deterred-by-bitcoin-price-decline/ )

    (引用:coinmarketcap: https://coinmarketcap.com/currencies/bitcoin/#charts )

    価格回復の可能性:ICOのプロジェクト成功

    ICOによって誕生したトークンは無数にあり、トークンエコノミーが現実化すればICOによって生まれたトークンの時価総額が上昇します。現在ICOプロジェクトは、まだ殆どプロダクトが公開されておらず、多くが2018年の春から夏にかけて一般公開されます。Grid+AirSwapなど、見込みのあるICOプロジェクトは多数ありますが、今後これらの成功が仮想通貨業界の成長に大きく貢献するでしょう。また、現在暴落した全仮想通貨の価格上昇の要因となることも期待されます。

    価格回復の可能性:技術的問題の解決

    現在ビットコイン、イーサリアム両者はスケーラビリティ問題による手数料高騰、取引成立の遅延が目立っています。この解決方法としては、オフチェーン処理によってトランザクション速度を上げる、ライトニングネットワーク(ビットコイン)、プラズマ、ライデン(イーサリアム)というプロジェクトが進められています。ライデンによりイーサの送金完了時間は1秒以下となり、100万トランザクション/秒が可能となるため、実現されればよりリアルタイムで実用的なものとなります。

    価格回復の可能性:仮想通貨の実用化

    韓国企画財政部長官、キム・ドンヨン長官はブロックチェーン技術が実用化される場合、個人がネットワークに参加するインセンティブとして仮想通貨が必要となってくると主張しています。またビットコインのライトニングネットワーク、イーサリアムのライデンが実装されれば、VISAと同レベルかそれ以上のパフォーマンスが可能となるため、実際に利用される機会が増加します。

    “For open-source blockchain networks, cryptocurrencies are necessary as incentives for individuals to participate in the network.”ーSouth Korea Finance Minister,Kim Dong-yeon

    (引用:https://cointelegraph.com/news/s-korean-finance-minister-blockchain-can-revolutionize-the-world)

    さらなる暴落の可能性

    今回の暴落は壮大なバブルの崩壊であり、仮想通貨のほとんどが無価値となるという事を一部の専門家が予測しています。チューリップバブルとビットコインのチャートの類似性を指摘する人も多く、バブル崩壊説は信憑性を高めています。上記のNouriel Roubini氏が予想する様に、この暴落がバブル崩壊であった場合、かなりの水準まで下がることが予想されます。しかしITバブルと同様、暴落後に成長する可能性も考えられ、バブルが崩壊した時こそ仮想通貨の真の価値が試されるでしょう。

    ICOプロジェクト失敗

    大半のICOプロジェクトは失敗に終わることが予想されています。イーサリアムの創設者ヴィタリック氏も「90%のスタートアップが失敗することは過去の事例を見れば明らかである。そしてCoinMarketCap上のERC20トークンも同様に9割が失敗するだろう」と述べています。

    “It is an established fact that ninety percent of startups fail. And it should also be an established fact that 90 percent of these ERC20s on CoinMarketCap are going to go to zero.” Vitalik Buterin.

    (引用:https://steemit.com/blockchain/@unum/if-there-is-a-bubble-on-the-current-cryptocurrency-market-then-when-will-it-burst )

    各国の規制強化

    今回の暴落により、各国は仮想通貨に対する懐疑心を深めており、自国民の保護、経済不況を避けるために規制強化に乗り出す可能性が考えられます。実際に、暴落後韓国最大の仮想通貨掲示板「Coinpan」でもっとも検索されている単語が「 自殺」であるということが判明しています。(仮想通貨を嫌うグループが評判を落とすため、くり返し“自殺”という単語を検索をした可能性も指摘されています。)また、20歳学生が自殺をしたというニュースが広がっており、これを受けて韓国政府は規制強化に乗り出す可能性があります。

    中国では、他国の仮想通貨取引所を利用することも禁止にすると、2月4日に発表しました。中国だけでなくフィリピンやインドなども、仮想通貨に対してポジティブな姿勢は示しておらず、規制を進める可能性が高いと予想されます。

    「A college student was found dead in his apartment after losing a lot of money due to the fall of cryptocurrency value. The 20-year-old college sophomore was found dead early in the morning in his apartment room by his mother after dying by suicide.」

    (引用:https://www.koreaboo.com/news/college-student-found-dead-after-losing-his-money-on-cryptocurrency/)

    (引用:

    https://steemit.com/cryptocurrency/@koreancrypter/one-of-south-korea-s-largest-crypto-forum-s-no-1-search-word-is-suicide-right-now )

    まとめ

    上記からわかる様に、今回の暴落は「仮想通貨のバブル崩壊」と言えるでしょう。このまま暴落し続け、仮想通貨の市場価値は無に等しくなるとする予測と、たまたま悪材料が重なったが時を経て売りの圧力が弱まれば再度上昇するという予測、2つの真っ向から対立する見解が存在します。

    短期的には下がり続けるかもしれませんが、Tom Lee氏が分析する様にビットコインは暴落すると毎回反騰が続いており、ライトニングネットワーク、ライデンなどの実装による技術的進歩も考慮するとこの先、元の水準以上に回復する可能性は十分考えられます。

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