ビットコイン、イーサリアム、ICOへの仮想通貨投資を好む日本人の国民性

目次

    日本人の国民性とICO市場の行方

    ビットコイン・イーサリアムを含む仮想通貨は、2017年下旬にみせた急激な価格上昇と、その後の暴落やコインチェック事件で、社会的認知度を高めました。世界的にみても、投機利潤を狙い投資する一般個人の投資家が多いように見られる日本ですが、実際に他国と比較すると何が読み取れるでしょうか?

    データを通して昨今の仮想通貨に関わる潮流を見てみましょう。

    データに見る日本人の国民性

    ビットコインの保有割合

    ビットコインは日本で非常に人気で、40%のトレードは円でされており、以下の棒グラフが示す通り米ドルよりも若干高いシェアを占めています。野村証券の推計によると、約100万人の日本人が370万ビットコインを保有しています。アナリストの西門氏、宮本氏はこの資産効果による960億円の消費拡大を見積もっています。

    “Bitcoin is popular in Japan — 40% of all trades are in yen, more than the US dollar share. About 1 million Japanese people hold about 3.7 million bitcoin, Nomura estimates. Suimon and Miyamoto calculate that the wealth effect of those holdings could trigger ¥96 billion ($851 million) of extra consumption.“

    (引用:http://www.businessinsider.com/bitcoin-could-be-adding-03-to-japanese-gdp-2017-12

    (引用:http://www.businessinsider.com/bitcoin-could-be-adding-03-to-japanese-gdp-2017-12

    国内取引所におけるBTCの総月間出来高

    下図は、https://jpbitcoin.com/market/volume に掲載されている、国内の主要取引所における総月間出来高の推移です。ビットコイン価格に比例し、加速度的なスピードで出来高(一定の価格で約定が成立した時、買い注文と売り注文が出会った数量)が伸びたことが読み取れます。2017年上半期は特に仮想通貨市場で投機のカジュアル化が見られ、国内取引所における7月〜12月の総出来高は35兆5487億円でした。

    頭打ちとなった12月の月間出来高は、各社合計で13兆4115億円です。国内の出来高はbitFlyer, coincheck, BtcBoxの順になっています。

    (引用:https://jpbitcoin.com/market/volume

    家計金融資産の構成比率

    本題の仮想通貨とは少しずれますが、日本の家計金融資産構成を見てみましょう。以下の帯グラフは日本の家計金融資産構成を米国、ユーロエリアと比較したものです。

    日本人は50%以上の資産を現金・預金として保有しており、一方で債務証券・投資信託・株式等を合わせたリスク資産は合わせて約17%にしか満ちません。米国と比較すると一目瞭然ですが、日本人のリスク資産を避け貯蓄を好む国民性が伺えます。

    この理由は、戦後の復興のために貯蓄が政策的に推奨されたことや高度経済成長期に預金金利が高く貯金でお金が増えた時代の名残がいまだに残っていること、高齢化社会ゆえの老後のことを考え増やすことよりも減らさない傾向、様々な要因が挙げられます。政府が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げしばらく経ちますが、現預金比率は変わらず、貯蓄の割合は多いままです。

    (引用:https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf

    日本人は現預金もしくは仮想通貨と両極端

    以上のデータから、リスクが高く投機性の高い仮想通貨、金利のない現預金の両極端に流れやすい日本人独特の傾向が伺えます。「お金の引き出し時の自由度が高く且つリスクのない現預金で資産を持つ分、日本には投機にお金をまわしやすい環境も心理的余裕もある」という仮説を立てることができるのではないでしょうか。

    それが実際に今回の仮想通貨バブルで顕著であったように、どの国の人よりも仮想通貨にお金を投じる、という社会現象として現れたと考えられます。

    日本は魅力的な市場となるか?

    ここでICO市場の将来性を考えます。

    ICOトークン投資の特徴(メリット)として、投資対象がスタートアップ企業やプロジェクトとなるためハイリターンを狙いやすいく、取引所やDEX上場後であればいつでも売却可能であることが挙げられます。この短期間で高いキャピタルゲインを狙える点が、通常の証券売買やクラウドファンディング等と異なり、新しいということになります。

    ICOは日本の「投機を好む」カルチャーと相性の良い経済活動の形ではないでしょうか。投機は市場の売買を活発にする側面も有しているため、一概には批判できません。

    リターンを狙った一般個人のリスクマネーがICOを実行するプロジェクトや企業に流れこみ、それがベンチャーエコシステムを活性化させる一助となっても不思議ではありません。

    ICOが社会的に定着することによって、資金調達に苦労する日本のベンチャー企業や技術者のもとに必要な資金がわたることが理想となるでしょう。しかし未だ黎明期とあり、懸念点も多いのが現状です。

    「詐欺案件が交ざりやすく、中国と韓国は『市場の安定と投資家の保護をはかる』としてICOの禁止に踏み切った。米国はICOを禁止していないが、SECがネットを活用した不正行為を監視するサイバー部隊を17年9月に設置するなど規制を強めている。3月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議ではICO規制が提案される可能性もある。日本ではICOを規定する法律はない。仮想通貨取引所への規制を盛り込んだ改正資金決済法の作成時には『ICOを想定していなかった』(金融庁幹部)。脱法行為は看過できないが新技術の芽を摘みたくないとの考えもあり、金融庁はICOの規定を巡り法改正を視野に検討していく。」

    (引用:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26373100R30C18A1EA2000/

    これが希望的観測にとどまらないためにも、投資家保護のための法規制が加えられ、より多くの人がICO市場に参入できる環境整備が望まれます。

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