ビットコインやイーサリアム、仮想通貨は新たなアセットクラスとして定着するか?

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    ビットコイン・イーサリアムを含む仮想通貨は、2017年より幅広い層から関心を集め、投機の対象として一般個人の投資家からも資金が流れ込みました。しかし本サイト記事でお伝えした通り、様々な要因を背景に12月中旬に頭打ちとなり仮想通貨全体の市場規模は大幅に縮小しています。

    先の読めない仮想通貨ですが、新たなアセットクラスとして受け入れられていくのでしょうか?本記事では資産運用会社・先物取引所・連邦準備銀行の識者がそれぞれどのように考えているのか、見解を紹介します。

    そもそもアセットクラスとは

    アセットクラスとは、資産の種類や分類のことで、類似した値動きやリスク特性を持つ対象ごとに何種類か存在します。大別すると以下の2つになります。

    • 伝統的資産(短期金融商品・現預金・債券・株式等)
    • オルタナティブ資産(コモディティ・REIT・ヘッジファンド・プライベートエクイティ)

    世界的に伝統的資産の相関関係が高まっていることから、分散効果を図るためオルタナティブ投資の重要性が増している流れがあります。

    「アセットクラスは、『資産クラス』とも呼ばれ、同じようなリターン(値動き)やリスク特性を持つ投資対象となる資産グループ(資産の種類・分類)のことをいいます。これには、伝統的資産である短期金融商品(現預金)や国内債券、外国債券、国内株式、外国株式など以外に、昨今では、コモディティ(商品)やREIT(不動産投資信託)、ヘッジファンド、プライベートエクイティなどのオルタナティブ資産と呼ばれるものも注目されています。

    一般に資産運用において、資金をどのアセットクラスにどれだけ振り分けるかによって、リターン(収益)の8~9割が決まると言われています(個別銘柄の選択は、リターンの1~2割程度の影響度しかないとも)。また、今日では、世界的に伝統的資産の相関関係が高くなってきているため、分散効果を図る上で、オルタナティブ投資がより重要になってきています。」

    (引用:https://www.ifinance.ne.jp/glossary/investment/inv043.html

    その時々の社会情勢によって資産リスクは変動しますが、以下の図のようにリスクの高低、リターンの大小によってアセットクラスが分類されています。

    (引用:http://kakeibot.doorblog.jp/shisanunyou

    識者の見解

    世界最大手の資産運用会社であるBlackRock、世界最大規模の先物取引所であるCME(Chicago Mercantile Exchange)、連邦準備銀行である米セントルイス連邦準備銀行等が、資産クラスの対象として仮想通貨をどのように捉えているのか、そしてイーサリアムの考案者Vitalik Buterin氏の見解を紹介します。

    BlackRock

    ブラックロックは仮想通貨を投資可能な資産として現段階ではみなしていませんが、この急成長しているマーケットの動きに加え、ブロックチェーン技術の応用性に注視しているようです。

    会長兼CEOのLarry Finkは次のようなコメントをしています。「仮想通貨はマネーロンダリングのインデックスに過ぎず、それ以上のものではない。しかしテクノロジーは本物で、我々のビジネスをすっかり変えてしまうだろう。背を向けるべきではない。」(2017/10/13時点)

    BlackRock chairman and CEO Larry Fink made that clear as he issued an especially bold statement on the assets during a panel about the future of global finance on Thursday. When asked if he’s ready to start investing in cryptocurrencies, he called them, “more of an index of money laundering than anything more than that.” At the same time, he acknowledged that “it is a real technology.”

    “It’s going to transform how we do our business,” he said. “We should not turn our backs to it; we should embrace it and work toward a global solution because if we don’t work toward a global solution it will create systemic risk.”

    (引用:http://fortune.com/2018/01/25/blackrock-larry-fink-cryptocurrency-money-laundering/

    チーフ・マルチアセット・ストラテジストのIsabelle Mateos y Lagoは次のように述べています。「これは非常に新しいもので、私たちにとって今の段階では投資可能なアセットクラスではありません。誰にも投資するべきだという助言をする気はありません。」(2018/1/31時点)

    BlackRock, Inc. (BLK) is not yet calling cryptocurrency an investable asset, but the world's largest fund company is keeping a close eye on the developments in the burgeoning market. Isabelle Mateos y Lago, chief multi-asset strategist at BlackRock, told Bloomberg TV this week that the company is keeping cryptocurrency under watch but that there are a few issues with it from safety, liquidity and regulatory perspectives. "This is a very new thing, and to us at this stage, this not an investable asset class," said Mateos y Lago. "We're not advising anyone to put money in it."

    (引用:https://www.investopedia.com/news/blackrock-keeping-cryptocurrency-its-radar/

    CME(Chicago Mercantile Exchange)

    CMEは2017年12月17日よりビットコイン先物の取引を開始しており、名誉会長のLeo Melamedも以下のようにビットコインを新たなアセットクラスとして受け入れていく乗り気な姿勢を表しています。

    Leo Melamedは次のように考えを示しています。「ビットコインは単なる仮想通貨であること以上に、ブロックチェーン技術に裏打ちされた新たなアセットクラスとなる。金や株式のように大口投資家によって取引されるだろう。」

    Bitcoin is likely to become a new asset class in its own right, such as gold or stocks, which can be traded by major investors and regulated, not simply a crypto-currency, Leo Melamed, Chairman Emeritus of CME Group, said on Tuesday.

    “The world in the 1970s didn’t look at currency trading as a valid instrument of finance. I too went from not believing (in bitcoin) to wanting to know more,” he said.

    He says bitcoin could go beyond being a cryptocurrency and represent a new asset class based on blockchain technology.

    (引用:https://www.reuters.com/article/cme-group-bitcoin/interview-bitcoin-a-new-asset-class-not-a-crypto-currency-cmes-melamed-idINKBN1D7159

    米セントルイス連邦準備銀行

    ミズーリ州セントルイスに本店を置く連邦準備銀行のひとつであるセントルイス連邦準備銀行は「仮想通貨の世界の概要」と題した白書を発表しました。金と同様のアセットクラスになる可能性も示唆しており、非常に前向きな姿勢が伺えます。

    「ビットコインの用途として最もはっきりしているのは資産としての用途だ。ビットコインなどの暗号資産は独自のアセットクラスとなり、投資や分散的な商品に発展する可能性がある。 ビットコイン自体は、時間の経過と共に金(ゴールド)と同様の役割を果たすようになる可能性もある。さらに、パブリックブロックチェーンを通して有価証券を取引することになることも考えられる。」

    The most apparent application is Bitcoin as an asset. It is likely that crypto-assets such as Bitcoin will emerge as their own asset class and thus have the potential to develop into an interesting investment and diversification instrument. Bitcoin itself could over time assume a similar role as gold. Moreover, the potential for trading securities on a public blockchain is large. So-called colored coins can be traded on the Bitcoin (or similar) Blockchain and used in smart contracts, as described below.

    (引用:https://files.stlouisfed.org/files/htdocs/publications/review/2018/01/10/a-short-introduction-to-the-world-of-cryptocurrencies.pdf

    イーサリアム考案者(Vitalik Buterin)

    時価総額が2018年2月現在ビットコインに続く大きさを誇るイーサリアムの考案者、Vitalik Buterin氏は注意喚起を促しています。

    注意:仮想通貨はまだ新しく、ボラティリティがあまりに高いアセットクラスであり、いつでもほぼゼロになる可能性があります。失っても差し支えない金額以上に投資するべきではありません。もし自分の預貯金をどこに保管するのか探しているのであれば、伝統的な資産(株式・債券・投資信託等)が今の所最も安全です。

    “Reminder: cryptocurrencies are still a new and hyper-volatile asset class, and could drop to near-zero at any time. Don't put in more money than you can afford to lose. If you're trying to figure out where to store your life savings, traditional assets are still your safest bet.”(引用:https://twitter.com/VitalikButerin/status/964838207215955969)

     

    可能性は大いにあり

    上述で触れた3つの機関を見ると、BlackRockは仮想通貨を新たなアセットクラスとして受け入れない考え、一方でCMEとセントルイス連邦準備銀行は投資や取引の対象として評価する、という見解の二極化が見られます。

    資産運用を本業とするBlackRockにとっては、ボラティリティが未だあまりに高いビットコインをポートフォリオの一部として組み込むのはリスクが高すぎるのだと考えられます。しかし「今の段階では」という条件付きで投資対象としないことを述べているため、相場が落ち着き安定性が生まれた際には仮想通貨市場に参入してくることは十分に考えられます。

    Vitalik Buterin氏は積極的な投資は推奨しておらず、現在の価格は妥当ではない、故に価値貯蔵の手段としては時期尚早という見方が全体として優勢のようです。

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