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イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンを活用し、UNICEFやWFPが人道支援を活発化

イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンを活用し、UNICEFやWFPが人道支援を活発化

2018/05/15 at 4:10 PM 0 comments
近頃、仮想通貨やブロックチェーン技術を活用した慈善活動が増えてきています。 2018年4月、シリアのアサド政権が一般市民に対し化学兵器を使用した疑いから、ついにアメリカ、イギリス、フランスの3カ国が武力攻撃を開始しました。シリアや他中東の国々は混乱を極めており、多くの人々が故郷から去ることを余儀なくされました。 そんな中、このような難民を対象に、UNICEFやWFPなどの慈善団体によるブロックチェーン技術や仮想通貨を使った最先端の人道支援プロジェクトが動き出しています。ブロックチェーンなどの技術を活用し、人道支援の効率化を図る今回の取り組みは大きな意味を持つと同時に、科学技術や最先端デジタル技術の発達が社会解決へ繋がることを表しています。 イーサリアムブロックチェーン技術を使い難民の食糧支援、個人情報の保護 難民を支援するために、WFP(国連世界食糧計画)と業界パートナーによって、ブロックチェーンを用いたプロジェクト「Building Blocks」が開発されました。このプロジェクトは食糧支援の効率化と支援対象者(主に難民)のIDの管理、プライバシーの保護を目的としています。「Building Blocks」は開発パートナーであるドイツの「Datarella」や英国の「Parity」との提携のもと、ブロックチェーンの代表的なプロトコル、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンをベースとしています。 「The United Nations agency in charge of food aid—often billed as the largest aid organization in the world—is betting that an Ethereum based blockchain technology could be the key to delivering aid efficiently to refugees while slashing the costs of doing so.」 (引用:https://qz.com/1118743/world-food-programmes-ethereum-based-blockchain-for-syrian-refugees-in-jordan/) 中東でのWFPの食糧支援は、現金や電子マネー、デビットカード、引換券などを配布し、支援対象者はこれらを使って地域の小売店で自由に食糧を購入する方法を採っていますが、このやり方では決済のたびに金融機関への手数料が発生する上、第三者機関を介在させることによる個人情報の漏洩や取引に関わるセキュリティ上のリスクがありました。 そこで、イーサリアムブロックチェーンを活用することによって、WFPが食糧支援を行う際の現金の移送をより早く、より低コストに実行することができます。また、WFPが行うすべての取引をリアルタイムに記録し、認証されるシステムとなっているため、機密データを第三者と共有する必要もなく、難民のセキュリティとプライバシーはさらに強化されます。 「The WFP’s move to adapt Ethereum was part of an effort that explored better, cheaper, and less risky means to deliver cash-based transfers. It had to be secure and fast at the same time. Blockchain, being the decentralized digital ledger that it is, seemed to be the most viable option. It offers a level of transparency, coupled with cryptography-based security, that makes it ideal for monitoring transactions. 」 (引用:https://futurism.com/blockchain-is-helping-us-feed-the-worlds-hungriest-families/) 2017年5月にシリア難民1万人以上が、ヨルダンのアズラック難民キャンプでの食糧支援において「Building Blocks」を試験的に導入したところ、地元の金融機関に支払う手数料の98%削減に成功し、支援対象者の個人情報を国連以外の第三者に提供することもありませんでした。これまで金融機関への手数料の支払いにかかっていたコストが大幅に削減されることになり、そのコストを生活の再建費に回せるようになります。 「For instance, the WFP would usually deliver food to people like the Syrian refugees in the Jordanian camp. But instead, they’re empowering these individuals by giving them money instead. The blockchain-fueled program cuts out much of the friction tied to bank transfers and the fees that accompany them, as evidenced by a 98% reduction in those costs. That leaves the refugees more money with which to rebuild their lives.」 (引用:https://www.ccn.com/an-ethereum-blockchain-is-restoring-the-identity-of-syrian-refugees/) 2018年以降、さらに多くの地域で「Building Blocks」の導入を引き続き検討し、ブロックチェーン技術を用いたデジタルID管理やサプライチェーンオペレーターなど、現金送金以外の利用についての応用も模索され始めています。イーサリアムブロックチェーンの活用により、慈善活動の効率化を進める取り組みは、最先端テクノロジーが社会課題の解決に大きく貢献できるることを示しています。今後のさらなる発展が期待できるでしょう。 社会的/経済的の両面でメリット このプロジェクトは社会的、経済的なメリットがあり、厳しい状況下にある人々の生命を救い、彼らの人生の質を高める事に大きく貢献します。人道的側面から、人生を再建するチャンスを与えるでしょう。プログラムの設計者、Houman Haddad氏は、シリアの難民たちが身分証明書からなる単一のデジタルウォレットから、ブロックチェーンIDシステム経由で取引できることを期待しています。 「The architect behind the program, Houman Haddad, hopes to see these Syrian refugees one day be able to transact from a single digital wallet comprised of a record of their purchase history, identification and “access to financial accounts” via a blockchain-fueled ID system, as per MIT Technology.」 (引用:https://www.ccn.com/an-ethereum-blockchain-is-restoring-the-identity-of-syrian-refugees/) 透明性向上により多くの資金が慈善事業に流れる ブロックチェーンを基盤とした支援システムは、慈善活動への信頼向上にもつながります。第三者機関を通しての支援活動は、資金の多くが諸経費に充てられ、プログラムに直接投入されているかを疑問視する声が多数あります。 そこで、ブロックチェーン技術を活用し、仲介機能をなくすことができれば、直接支援者と受給者を繋げることができます。諸経費を減らすことによって運営効率をさらに上げることができれば、懐疑的な資金提供者の慈善行為に対する信頼を回復させることができるかもしれません。 これがやがては、慈善活動への関与や、資金を提供するという行為の全般的な高まりにつながります。 「The WFP’s move to adapt Ethereum was part of an effort that explored better, cheaper, and less risky means to deliver cash-based transfers. It had to be secure and fast at the same time. Blockchain, being the decentralized digital ledger that it is, seemed to be the most viable option. It offers a level of transparency, coupled with cryptography-based security, that makes it ideal for monitoring transactions. 」 (引用:https://futurism.com/blockchain-is-helping-us-feed-the-worlds-hungriest-families/) このように可能性は無限大ではありますが、多くの懸念すべき点があることは事実です。 一番の問題は、デジタル通貨による資金提供やブロックチェーンによるシステムは、いまだ慈善活動分野では新しい挑戦であり、実証されていないことが多く、個人の寄付提供者や慈善団体のなかでもなかなか周知されていないのが現状です。 しかし、長期的に考えると仮想通貨やブロックチェーンプラットフォームは、これまでの慈善事業や人道支援の在り方を著しく変えながら取って代わる可能性を秘めています。ビットコインやイーサリアム、その他の仮想通貨による寄付が今後より活発に行われ、仮想通貨市場の繁栄がこの先も続くと認識されれば、仮想通貨による慈善事業はより身近なものになってくるでしょう。 まとめ 発展途上国や政情が不安定な地域では、国際機関や非営利団体の活動も困難を極めます。そこで、いくつかの団体は仮想通貨やブロックチェーン技術を活用することで、最大限の支援を得られる事を望んでいます。ブロックチェーンは、暗号化されたデータの記録や転送が効率的で、透明性も高いとされています。金融業界のみならず、政府やNGOなど様々な機関や団体がこれらを積極的に導入していくことでしょう。 また、イーサリアム上で寄付、追跡を管理するスマートコントラクト契約やブロックチェーンについての研究をさらに重ね、それらが実証されれば、資金を寄付する者と受益者が直接的につながります。これにより、寄付やその結果の透明性が著しく増すことで慈善活動への信頼が高まり、現状より多くの資金が社会問題の解決に充てられるでしょう。
イーサリアム(Ethereum)のデータ構造~マークルパトリシアツリー

イーサリアム(Ethereum)のデータ構造~マークルパトリシアツリー

2018/05/10 at 5:55 PM 1 comment
はじめに 前回の記事で説明したように、イーサリアム(Ethereum)上ではユーザーの残高は、Account Stateで管理されています。そしてこのAccount Stateは、ブロックチェーンには含まれません。しかし、この仕組みでは異なるノード(マイナー)同士で各アカウントが持っている残高などの合意が取れないため、発行された全てのアカウントから抽出されるState rootという値を、ブロックチェーンに刻むことによって合意を取ることを説明しました。その際、State Rootはマークルツリーなどを用いて計算されることを述べましたが、その詳細は割愛しました。 そこで今回は、①State Rootの計算方法と②State変更が生じた際のState Rootの再計算方法について解説します。まずはじめに、Sate Rootがどのように計算されるのかについて説明します。さらに、トランザクションによってアカウントのStateが変更された時に、どのようにその変更が伝わって、State Rootが計算され直すかについて説明していきます。 イーサリアム(Ethereum)上でのデータ管理 前節で述べたように、各アカウントの状態はブロックチェーンには刻まれません。そのため、改ざんに対して耐性を持たせる必要があります。また、全てのStateをノードのコンピュータに保存するので、データ容量を小さくする必要もあります。さらに、約15秒に1度ブロックが生成されるので、その都度、アカウントの状態(残高など)の変更をState Rootに反映させる必要があります。State Rootに変更を反映するには、はじめに当該アカウントの検索をし、当該アカウントの状態を変更した後、変更があった全てのアカウントを元に計算されたハッシュ値をブロックに書き込む、といったステップが必要です。 そのためアカウントの状態は、以下の条件を満たすように保存されるのが望ましいと考えられます。 データ構造が改ざんに対して耐性を持っている。 データ容量を抑えられる。効率的に保持できる。 検索、データの挿入、削除が早く容易。 イーサリアムのKeyとvalue イーサリアム(Ethereum)では、各アカウントのアドレスとそのアカウントの残高が紐づいています。そのため特定のトランザクションがあった時に、トランザクションに記述されているアドレスをもとに、コンピューターが変更を加えるべきアカウントを探しに行きます。 このとき、特定の情報を探すためのキーワードをKeyと呼び、探すもの自体をvalueとよびます。イーサリアム(Ethereum)の場合、Keyはユーザーのアドレスに対応し、ValueはAccount Stateとなります Tree(ツリー) ここまでで準備ができたので、上であげた要件を満たすための仕組みについて考えていきましょう。ここでは、まず基礎となるPrefix Treeについて説明します。その後、Patricia TreeとMerkle Treeについて説明し、最後にイーサリアム(Ethereum)で用いられているMerkle Patricia Treeについて述べます。 Prefix Tree(プレフィックスツリー) イーサリアム(Ethereum)では、トランザクションに応じてアカウント状態をその都度変更する必要があります。その際、状態に変更があったアカウントの検索を高速にする必要があります。 イーサリアム(Ethereum)における検索の仕組みに入る前に、まずは検索のイメージを掴んでもらいたいと思います。例としてA,B,C,D のアルファベットからなる4文字の文字列を複数並べて見ました。並べ方は二種類用意してあります。文字列を不規則に並べた場合と、樹形図状に並べた場合です。 それでは以下に示す二つの図からBCDAという文字列を探してみてください。 不規則に並ぶ文字列(下図) すぐに見つけられたでしょうか? では、同じBCDAを次の樹形図状の配列の中から探してください。これは簡単ですね。この樹形図がBから始まる図では、上から順にB→C→D→Aというように探している文字を追って行くことで、目的物にたどり着ける構造になっています。 樹形図状に並ぶ文字列(下図) どうでしょうか? 仕組みさえわかってしまえば、樹形図状の構造の方が整理されていて、すぐに見つけられることが実感できたと思います。また、データの数がさらに多くなると、この樹形図はさらに威力を増します。(辞書などが良い例です) 。このデータ構造のことをPrefix Treeと呼びます。 EthereumにおけるPrefix Treeの考え方 これをEthereumに対応させて考えて見ましょう。上の文字列でBCDAなどのアルファベットに対応する部分は、Ethereumのアドレスに対応します。例えば、6f46cf5569aefa1acc100929・・・というkeyに紐づくアカウントの状態(value)を探す場合は、6→f→4→6・・・のようにtreeをたどることですぐに見つけることができます!! Patricia Tree(パトリシアツリー) Patricia Treeは、Prefix Treeをデータの容量面でさらに進化させて、データ量を軽量化させた構造です。比較のために先ほどのPrefix TreeとPatricia Treeの図を示します。 Prefix Tree(下図) はじめにあげた図とは異なり、BACD、BCADというアドレスをもつアカウントがないとしましょう。このとき、一番左側(BADCの枝)の経路のようにAからは必ずDに行く分岐のない経路が現れます。このような場合、AとDを別々に保存する必要がなくまとめてしまおうというのがPatricia Treeの考え方です。以下のようにADをまとめて保存することでデータ容量を節約して軽量化した構造を作ることができます。ちなみに、Patricia Treeは、Radix Treeとも呼ばれることもあります。 Patricia Tree(下図) Merkle Tree(マークルツリー) Merkle Treeは、大きなデータを要約し、その値を検証することでデータが改ざんされていないかを検証できる構造のことです。要約の際に、ハッシュ関数を用います。そのためハッシュツリーとも呼ばれます。ハッシュ関数とは任意の長さの文字列を入力したとき、一定の長さの入力文字列を反映した文字列を出力する関数です。早速、Ethereumの場合でこの要約の方法について見ていきましょう。 EthereumにおけるMerkle Treeの考え方 前回の記事でも述べたように、Account Stateには四つの情報(nonce,code,storage,残高)がありました。この情報をつなぎ合わせて要約(ハッシュ関数に入れる)して、一つのハッシュ値(要約した値なのでダイジェスト値とも呼びます)を得ます。例えば、 hash(nonce)が17で、codeはなくて残高は0.17ethでstorageには何もない)=ba57d3f1ef8・・・ というようにです。(実際には日本語ではありません。) アカウントの情報が要約できたら、この要約を他のアカウントの要約値と合わせてさらに要約します。 下図は、その要約構造を示しています。HAはアカウントA(一番左のアカウント)を、HBはアカウントB(左から二番目のアカウント)を要約したハッシュ値です。これらをまたハッシュ関数に入れてさらに要約値を得ます。これを繰り返すことで、図の一番上のRoot値が得られます。 注意すべきことは、最下層のアカウントの情報が少しでも書き変わると、このRoot値が全く異なる値に変化します。このようにして、アカウントの状態が改ざんされていないかどうかを、この要約値を使って瞬時にチェックできる仕組みがMerkle Treeです。 また、前回の記事で紹介したTransaction RootもReceipts Rootも、どちらもこの構造を用いていて、データの検証を行なっています。 Merkle Tree(下図) ハッシュ化、ハッシュ関数に関しては、以前の記事を参考にしてください。 [イーサリアムアドレス 〜EIP-55によるチェックサムの導入〜](https://consensysmediajapan.com/4443.html#chapter-4) Merkle Patricia Tree(マークルパトリシアツリー) 上であげたPatricia TreeとMerkle Treeを合わせることで、三つの要件を満たすデータ構造が作れます。それがMerkle Patricia treeです。 はじめに述べたように、Ethereumではブロック生成時間が15秒程度に一度なので、トランザクションが起きたらすぐに関連するアカウントをPatricia Treeから探してきて残高などを変更し、さらに改ざんに対して耐久を持たせるために、変更後の要約(ハッシュ)値をすぐに計算する必要があります。 実は、Merkle Treeは以下の図にあるように、変更が加えられたハッシュ値以外は変わらないので、着目しているトランザクションに関係ないアカウントの要約値は変更しないような仕組みなっています。そのため例えば、アカウントC(左から三つ目)の状態が変わったとしても左側の分岐のハッシュ値は変わらないので、ハッシュをすぐに計算する構造も備わっています。 Merkle Tree(Account Stateの変更)(下図) それでは、最後にMerkle Patricia Treeがどのような構造でできているか考えていきましょう。 以下では、Key(ユーザーのアドレスに対応する値)が7b2d(便宜上、4桁の場合を考えています。)であるアカウントに紐づくAccount Stateを見つけにいきましょう。7→b→2→dとたどることでアカウントにたどり着けるはずです。そこで、下図にあるように、16進数なので0,1,2,・・・fの中から7の四角に進みます。 ここで、ポインターと呼ばれる次にどこのデータの塊を参照すればいいかを示すある値を得ます。今回、7に紐づく値は、a85fだったとしましょう。(もちろん、他の値にもそれぞれ特定のポインターが紐づいています。) 今度は、この値を参考にa85fに紐づくデータの塊のなかで、ユーザーのアドレスの7の次のbの値に対応するポインターを参照します。そこには、3aa7とかいてあるのでその値に対応するデータの塊を参照します。これを繰り返すことで、目的であるアドレスが0x7b2dのAccount Stateにたどりつけます。 ここで、ポイントとなるのは、今まで参照してきた謎のポインターの値は、実は複数のアカウントから抽出された要約(ハッシュ)値であったということです。Merkle Patricia treeの最下層には、全てのAccount Stateが紐づきそれの要約値が、まとめられてその情報の塊を参照するポインターの役割をしているわけです。   このような構造によって、Etherrumのカウント構造は効率よく変更され管理されているわけです。この構造は、うまくできていて感動します。 まとめ Merkle Patricia Tree の構造は、少々複雑です。ですが、解説記事があまり少なかったため今回まとめました。もっと詳しい実装に関しては、Ethereumのgithubが参考になります。わからないところがあれば下記のコメントからも質問を受け付けます。 [Patricia Tree](https://github.com/ethereum/wiki/wiki/Patricia-Tree)
イーサリアム(Ethereum)のブロック構造とその仕組み

イーサリアム(Ethereum)のブロック構造とその仕組み

2018/04/17 at 4:44 PM 0 comments
はじめに 今回の連載記事では、イーサリアム(Ethereum)ブロックの構造を、ビットコイン(Bitcoin)などと比較しながら解説します。 はじめに、イーサリアム(Ethereum)におけるユーザーのアカウントや、スマートコントラクトなどの情報がどのように管理されているかについて、解説します。次に、Ethereumブロックの構造をBitcoinなどと比較しながら解説します。 ぜひ、この機会にEthereumのブロックがどのような情報を持っていて、どのように承認されるかについて学んでいきましょう。 Ethereum Account イーサリアム(Ethereum)のアカウントには、以下の二種類があります。 外部アカウント・・・EOA(Externally Owned Account)とも呼ばれます。Ethereumを利用するユーザーが保持しているアカウント。秘密鍵によってコントロールされます。 コントラクトアカウント・・・CA(Contract Account)とも呼ばれます。コントラクトに紐づくアカウントでコントラクトに関するコードや情報を持つアカウント。コントラクトアカウントは、秘密鍵は持っていません。 これらのアカウントは、どちらも20byteのアドレスと状態(State)と呼ばれる情報を持っています。このStateについては以下で説明します。また、コントラクトアカウントは、外部アカウントから作成されます。 実際にどのようにしてアドレスが生成されるかなどの詳細は、以下の記事が参考になります。 (参考:イーサリアムアドレス 〜EIP-55によるチェックサムの導入〜https://consensysmediajapan.com/4443.html) Account State アカウントの状態には、以下の4つの情報が含まれます。 どちらのアカウントも共通して、「残高(Balance)、nonce」を記録する部分を持っています。アカウントが持つnonceは、二重支払いを防ぐ役割をしています。着目しているアカウントが行うトランザクションの回数を記録するカウンターとして作用し、トランザクションは、このnonceの小さい方から順にブロックに詰められるようになっています。 そしてコントラクトアカウントのみが、コード(code)、ストレージ(storage)というスマートコントラクトのコードとデータを保存する部分を持っています。外部アカウントの場合、コード、ストレージは無く、空です。 このように、Ethereumでは、アカウントごとの残高が明示的に管理されています。これは、Bitcoinと異なる点です。Bitcoinでは、各アカウントごとに残高が管理されていません。散らばっているUTXOをかき集めることによって、着目しているアカウントがもつ残高を計算しています。そのため、Bitcoinではブロックチェーンから残高を導出する時間計算量も問題視されています。ビットコインのUTXOについては以下の記事が参考になります。 (参考:イーサリアムを理解するためにビットコインの基本を理解しようhttps://consensysmediajapan.com/2485.html) State Root 上であげた全てのアカウントの状態をEthereumのブロックに入れておこうとすると、ブロックのサイズがとてつもなく肥大化してしまいます。そこで、Ethereumでは以下の図に表すように、全てのアカウントの状態をマークルパトリシアツリー(下図の木構造のこと)によって管理しています。(Ethererumでは、すべてのアカウントの状態を記録して管理している全体を特にWorld Stateと呼びます。) すなわち、全てのアカウントの状態ではなく、全てのアカウントのハッシュ値を掛け合わせて作られたState rootと呼ばれるハッシュ値のみがブロックの中に格納され記録されます。このState rootは全てのアカウントのハッシュから計算されるので、いずれかのアカウントの状態が改ざんされると、このstate rootも変わってきます。そのため改ざんなどを防ぐ役割も担っています。 ちなみに、アカウントのStateはブロック内には保存されませんが、マークルパトラシアツリーの状態で各ノードに保存されています。また、全てのアカウントのStateは、ブロック内に保存されている全てのトランザクションから推測、生成することができます。 一番下の段が各アカウントであり、複数のアカウントがもつStateを繋げてハッシュ化することで、全てのアカウントの情報を含む一番上のState Rootが作られます。(マークルツリーなどでは一番上の値をRootと呼びます。) 今回は、あくまでブロックの構造を知ってもらうことをメインに解説しています。 そのためマークルツリーについては次回の記事で詳しく取り上げることにします。 次に、ブロックの中に保存されている項目について整理していきましょう。 ブロック構造 イーサリアム(Ethereum)のブロック構造は、ビットコイン(Bitcoin)のそれに対して複雑です。まず、ハッシュ化されるブロックヘッダーと呼ばれる「ブロックの核」となる部分について比較してみましょう。 BitcoinのBlock Header Bitcoinの場合は,ブロックヘッダーには以下の情報が含まれます。 - nVersion・・・現在のBitcoinのバージョン - hashPrevBlock・・・一つ前のブロックのブロックヘッダーのハッシュ値 - hashMerkleRoot・・・複数トランザクションを先ほど述べたマークルツリーで処理したRoot値 - nTime・・・現在のタイムスタンプ(おおよそ現在の時刻が記録されます) - nBits・・・difficulty(難易度)に関する値。目標とするbit数が入り、この値よりも小さな値になるよう計算を行います。 - nNonce・・・マイナーが選べる任意の値。上にあげたハッシュなどと合わせて、現在のblockから計算されるハッシュが、設定されているtargetよりも小さな値になるように決定します。 これら6つの要素から成り立っています。 ビットコイン(Bitcoin)のブロックチェーンに内包されるBlock header(下図) EthereumのBlock Header 次に、Ethereumのブロックヘッダーについてです。こちらは、項目がBitcoinに比べ格段に多くなります。 Ethereumは、ブロック生成時間が10分であるBitcoinとは異なり、13~15秒と40倍も速い速度でブロックの生成が行われます。 しかし、承認速度が早いということは、計算の難易度が比較的に容易で、すぐにフォークが起きてしまいます。そのため、Ethereumには、承認されなかったブロックに対しても分け前を与えるシステムがあります。また、このときに、承認されずフォークしてしまったブロックのことをUncleブロックと呼びます。このUncleブロックのハッシュ値なども現在のブロックに取り入れられる構造になっています。また、Gasと呼ばれるマイナーに働いてもらうための手数料も特徴的です。 - ParentHash・・・一つ前のブロックのブロックヘッダーのハッシュ値 - UnclesHash・・・Uncle ブロックのブロックヘッダーのハッシュ値(OmmersHash/sha256Unclesとも呼ばれる) - Timestamp・・・現在のタイムスタンプ - Difficulty・・・ブロックを生成する難易度.これ以前のブロックの難易度とTimestampから算出される.Bitcoinとは異なり難易度調整はブロック毎に変動します。 - Nonce・・・マイナーが選べる任意の値。ここにあげたhashなどと合わせて、現在のblockから計算されるhashが、設定されているtargetよりも小さな値になるように決めます。 - TxTrieRoot・・・トランザクションをマークルツリーで処理したRoot値 - Coinbase・・・ブロック生成のマイニング報酬を受け取るアドレス(minerとも呼ばれる) - LogsBloom・・・トランザクションに関連する内容と、それに付随する内容がブルームフィルタと呼ばれる空間効率の良い形で保存されています。(詳しくは,次回以降の記事で紹介する予定です。) - Number・・・ブロック高,現在のブロック数を表します。 - GasLimit・・・このブロックで使用できる最大のGasサイズ - GasUsed・・・このブロックで使用されたGasの使用量 - ExtraData・・・ブロックに関連する任意の情報を記録する場所. - MixHash・・・このブロックで十分な計算が実行されたことを証明するハッシュ - ReceiptsRoot・・・ブロックに入っているトランザクションの実行結果を先ほどのマークルツリーで処理して保存しています。. - StateRoot・・・先述した通り、Ethereum上の全アカウントの情報から得られるハッシュ値(KECCAK-256)。アカウントのstateはblockの外で管理され、ノード値のみブロックに格納されます。 合計15個から構成されています。(正確には、UncleBlockのhash値とUncle BlockのBlockheaderも含まれます。これを含めれば17個の要素から構成されていることになります。) 下図のように、BitcoinとEthereumとの対応が取れるものについては、上図と同じ色で統一しました。 イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンに内包されるBlock header(下図) イーサリアム(Ethereum)ブロック構造のまとめ 今回は、Ethereumのブロック構造について解説しました。今までよりも、ブロックにどのようなデータが格納されているか、具体的に理解が深まったのではないでしょうか。 最後に、イーサリアムのブロック構造をまとめます。上で述べたブロックヘッダーは、ブロックの中でたくさんの要素が含まれている大切な部分です。 Ethereumのブロックには、他にも各ブロックごとに、その時起きたトランザクションを保管する部分があります。これには、Uncleブロックの分も含まれます。このように大きく分けると三つの要素からブロックが構成されています。(下図) このブロックが連続的に繋がっていくことでブロックチェーンが長く長く伸びて行くのです。 イーサリアム(Ethereum)のブロックに格納される3要素(下図) 次回以降は、今回触れることができなかったトランザクションやGasなどについても詳しく解説して行きます。
イーサリアム資金盗難の救済措置 EIP-867にまつわる議論と平井氏の懸念

イーサリアム資金盗難の救済措置 EIP-867にまつわる議論と平井氏の懸念

2018/03/06 at 3:07 PM 0 comments
イーサリアムなどの仮想通貨/暗号通貨を利用したICOによる資金調達額は、2017年に約40億USドル相当に達しました。このように近年ICOによる資金調達の活発化に伴い、ICOプロジェクトを狙ったハッキングによる盗難や、実装されたコードの不備による資金凍結(誰も取り出せなくなること)の被害も増加しています。そこでETHが盗難・凍結した場合に、そのETHを取り戻す方法がEIP-867として提案されました。 本記事は盗難・凍結したETHを取り戻す方法を提案したEIP-867にまつわる連載記事の後半です。前半記事では、EIP-867で提案されたETH回収の仕組みについて解説しました。本記事ではこの提案に関する考察と、イーサリアムEIPコミュニティの編集者である平井氏が示した2つの懸念に焦点を当てて解説をします。 ハードフォークによる救済 当時最大級のハッキング被害が発生したThe DAO事件では、イーサリアムがハードフォークすることによってハッキングが無かったことになり、ETHは取り戻されました。ハードフォークではブロックチェーンに大幅な仕様変更を加えるために、それまでのブロックチェーンとの互換性は保たれなくなります。 ハードフォークする新たなブロックチェーンが提案された際、この新しいブロックチェーンを正当なものとして受け入れるかどうかは、ネットワーク上の各ノード(ブロックチェーンの管理やマイニングを行っている世界中に分散したコンピュータ)が選択します。 The DAO事件では、ある特定のハッキングのみを無効にするということが、ブロックチェーンの特長である ”過去に起こったことが変更不可能である” という性質に反するとして、1割程度のノードから反対されました。結果として、9割方のノードが採用した新しいブロックチェーンが正式なイーサリアムとなり、反対の立場にあるノードが元のブロックチェーンを運用し、これがイーサリアムクラシックとなりました。 このようにハードフォークを行うには、その提案を行う事自体の労力に加えて、ノード全体の半分以上の同意が必要であり、簡単に実現できるわけではありません。 EIP-867によるソフトフォーク EIP(Ethereum Improvement Proposals)コミュニティでは、現状のイーサリアムの問題に対する解決策が議論され、一般的に現状のイーサリアムに互換性のある形式の提案が承認され、アップデートとして配信されます。 EIP承認の流れやERCについての記事はこちら ネットワーク上のノードは、このEIPで承認されたアップデートをマイナーな公式アップデートとして受け取り有効化していきます。 EIP-867で提唱されたETHの救済方法は、このEIPの承認手順に則ったソフトフォーク的な方法だと言えます。 EIP Editorとは? EIPコミュニティには、EIP Editorという権限を持つ人物がいます。彼らは新たな提案を受け取り、その提案が適切である場合はEIPとして番号を与えて、EIPに関するGithubレポジトリに提案を検討(Draft)状態として公開します。 また、公開された提案に対する議論の末、EIPが公式アップデートとして取り込むべきと判断した場合には、提案を承認(Accept)し最終版を確認(Final)した上で公式なアップデートとします。 (提案されたEIPが経るプロセスフローチャート 引用:https://github.com/ethereum/EIPs/blob/master/EIPS/eip-1.md ) 2018年2月22日現在、EIP Editorはイーサリアムの開発者であるVitalik Buterin氏を含め6名です。EIP EditorやEIPコミュニティの目的やガイドラインについてはEIPの1番としてGithub上に掲げられています。 EIP Editor 平井洋一氏の懸念と辞職 2017年2月上旬に、6名いるEIP Editorの一人であった日本人論理学者の平井洋一氏が、EIP-867に関する提案を以下の2つの懸念事項を理由に受け入れられないと表明しました。平井氏はその後、この件をきっかけにEIP Editorを辞職します。この一件は、今回巻き起こっているEIP-867に関する倫理的な議論を象徴する出来事だと言えるでしょう。以下に平井氏の懸念事項を紹介し考察します。 平井氏の懸念 ① 〜イーサリアムの分散自治的な側面〜 ブロックチェーン技術に根ざしているイーサリアムは、そもそも国家や政府はもちろんのこと、どの様な立場の人や組織も管理権限を持たない分散自治組織的な設計がされています。この組織では権限者が居ないかわりに、全ての意思決定で全ユーザーの投票により過半数以上の賛成を必要とします。 しかし、そうとは言ってもイーサリアムの技術的な変更も公平なユーザーの投票によって過半数を得る事が最善とは言い切れません。イーサリアムは元々Vitalik氏を中心とした天才的なプログラマ達によって開発されている緻密な暗号理論に基づいたシステムです。これを正しく更新し続ける為には高度な専門知識が必要になります。そのため、イーサリアムEIPではこの様な背景から、EIP Editorが改善案の承認を最終的に行う事で初めて公式なアップデートとなるような一部の管理権限を認める仕組みを設けています。 この様な理由から権限を持つEIP Editorは慎重に検討して、イーサリアムコミュニティ全体にとって公平な改善案のみを承認するべきだと言えます。 平井氏の懸念事項の一つ目はこの点です。つまり、もし今回提案されたEIP-867が承認されれば、今後不正(と思われる)ETHの盗難や凍結があった場合に、この資金を最終的にどのように処理するのかと言う、極めて特定の利益に関わる決定権をEIP Editorが持つことになります。 これは上述したイーサリアムの分散システムの哲学に反します。EIP Editorはイーサリアム利用者の信任を得て決定される訳でも無く、また、その存在についても一般に高く認知はされていません。よってEIP Editorが特定のアカウントの残高情報を変更する強い権限を持つべきではない、というのが平井氏の指摘です。 “I don't think anybody has the authority to make an irregular state change. I don't think I have the authority to review processes regarding who has the authority to make an irregular state change. These beliefs come from the lack of authorizations from Ethereum users. I don't think all users of Ethereum gave authorization to this EIP process, or know about the EIP process. The EIP process is not mentioned in the licenses of Ethereum clients. EIP editors are not chosen democratically either.” (引用: https://github.com/ethereum/EIPs/pull/867#issuecomment-365541405 ) 平井氏の懸念 ② 〜日本の刑法との抵触の可能性〜 また日本人である平井氏がEIP Editorとして今後このEIP-867で述べられたERPを承認した場合に、日本の刑法 ”電磁的記録不正作出及び供用” に抵触する可能性があることを述べています。この刑法は、ある電磁記録に関する権限を持っていない状態で記録を作り出す・改変することを罰するという内容のものです。 例えば他人の預金残高の記録を持ち主の許可無く改変することはこの刑法で罰せられる可能性があります。 平井氏は直接的にどのように抵触するかについては言及していませんが、おそらく、EIP Editorとして他人のETH資金の情報を所有者の許可なしに書き換えるERP案を承認する行為が、この刑法での犯罪の幇助にあたると考えているのでしょう。 The Japanese penal code defines a crime called "Unauthorized Creation of Electromagnetic Records". (edit: this item applies also outside of Japan) I'm currently not in Japan but in Germany. I suspect there might be a similar rule in Germany, and I don't know how broadly that applies. Once I thought it's enough not to touch individual cases because I had civil cases in mind. After realizing the penal code aspects, I'm not sure if I can do anything here in this pull-request. (引用: https://github.com/ethereum/EIPs/pull/867#issuecomment-365541405 ) 平井氏の辞職 平井氏は当初、上述した2つの懸念事項を理由にEIP-867に対する否定的なコメント寄せました。ただし平井氏はその後の議論を経て、イーサリアムの哲学に反するという①の懸念事項については解釈を無視することで解決できるとしました。しかし、②の刑法への抵触については無視できないとしました。 平井氏が否定的なコメントを寄せる一方、イーサリアムのコミュニティマネジメント及びParityのテクニカルコミュニケーションを担当しているアフリ氏は、今回のERPの提案を強く支持しています。 そして、アフリ氏はTwitter上にて、日本という一つの国の法律に抵触する恐れがあるという理由で、イーサリアムに有用な提案が拒否されることは、イーサリアムコミュニティで起こるべきではないという旨の意見を表明し、平井氏がEIP Editorを辞任することを呼びかけました。 平井氏はこれに応答し、もし平井氏自身が辞任したとしても、それは後続のEIP Editorが刑法を無視することになるだけだという意見を表明しました。結果として、その10時間後にEIP Editorを辞任するに至りました。 各国の規制と分散自治組織の対立 今回紹介したEIP-867に関する議論は、イーサリアムにて大きな問題となっている盗難・凍結された資金の回収に関するものでした。しかしここから、イーサリアムと言う分散型システムを開発・推進するコミュニティが実際に存在することによって発生する、日本の法規制との対立構造が浮き彫りになりました。 公開されたブロックチェーンによって作られるシステムは、一般的に国などの従来の枠組みを超えた分散自治的な特徴を持っています。しかし、そのコミュニティに参加する人々は、何処かしらの国籍を持ち、自国の法規制に束縛されます。 今後ブロックチェーンをベースとした分散自治的な組織が更に拡大するでしょう。そして、そこで発生する従来の国や政府などの枠組みによる規制との対立をどのように解決していくのかは、分散自治組織を現実社会で利用する上で非常に重要な視点となるでしょう。
イーサリアム資金盗難の救済措置 EIP-867の仕組みとは?

イーサリアム資金盗難の救済措置 EIP-867の仕組みとは?

2018/02/28 at 7:41 PM 0 comments
イーサリアムなどの仮想通貨/暗号通貨を利用したICOによる資金調達額は、2017年に約40億USドル相当に達しました。このように近年ICOによる資金調達の活発化に伴い、ICOプロジェクトを狙ったハッキングによる盗難や、実装されたコードの不備による資金凍結(誰も取り出せなくなること)の被害も増加しています。そこでETHが盗難・凍結した場合に、そのETHを取り戻す方法がEIP-867として提案されました。 本記事では2本連載にて前半ではこの提案の内容について、後半でこれにまつわる議論や出来事を整理して解説していきます。 ERCとEIPについて ERCとして公開された技術仕様に関する文章は、まず単なる問題提起からスタートします。提案された問題や技術が重要であれば議論が進み、最終的にはEIP(Ethereum Improvement Proposals)として採択されます。 EIP採択までの過程には、Draft(検討段階)→Accepted(承認済み段階)といったステータス(状態)があります。AcceptedされたEIPは最終的にまとめられ、イーサリアムの仕様として正式に採用(Final)されることになります。採用されたものは、イーサリアムの公式なアップデートとしてネットワーク上のクライアントに組み込まれていきます。 イーサリアムのバージョンアップや仕様変更などは、全てこのプロセスを経て行われることになっています。この一連のプロセスの解説については本メディアの過去の記事で解説しております。 EIP-867の概要について EIP-867は前述した通り、ICOなどによって調達したETHがハッキング被害やコードの不備などによって意図せず盗難・凍結した際に、被害者が資金を取り戻すリクエスト(ERP: Ethereum Recovery Proposals)を行い、これが承認された際にその資金が取り戻せる方法を標準化しようと試みた提案です。 これは2017年2月2日に、Musiconomiの開発者であるDan Phifer氏、そしてTapTrustの開発者であるJames Levy氏、Reuben Youngblom氏によって提案されました。 過去の被害と対処例 この提案が行われた背景には、過去に多発したICOで調達した資金の盗難・凍結があります。代表的な例として、The DAOでのハッキングやマルチシグウォレットサービスParityでのバグによる被害が挙げられます。 The DAO The DAOは非常に大きな注目を浴び、短期間で1億米ドル以上の資金を調達し、クラウドファンディングによる史上最高記録を塗り替えました。しかし調達直後に致命的なコードのバグによって、ハッキングの被害に遭い8000万米ドル相当の資金を盗難されました。 これはイーサリアム自体にとってもその価値を下げる大きな問題であった為に、イーサリアム自体がハードフォークし、このハッキングを無かったことにし、資金を元のウォレットに戻すという対応が取られました。最終的に、The DAOはこの対処によって盗難した資金を取り戻すことに成功しました。 Parity 次にParityの例について見てみましょう。 Parityは、スマートコントラクト上で実行されるウォレットサービスです。このParityの2017年7月20日にリリースされたバージョンにて、あるバグが報告されました。 このバグは、ある操作で通常のウォレットがマルチシグウォレットに意図せず変更されてしまい、この際にウォレットを開けるために必要な秘密鍵が資金と共にウォレットの中に保存されてしまうというものでした。 これはある部屋に入るために必要な鍵が部屋の中にある言わば”閉じこもり状態”であり、このマルチシグウォレットの中に保管されていたETHは事実上凍結されて、誰も移動することができなくなってしまうものでした。 プライベートブロックチェーンとパブリックブロックチェーンをリンクさせるというアイディアで、ICOにて1億4000米ドルを調達したPolkadotもこの被害にあっており、その調達資金のうちの60%が影響を受けているとされています。 Unfortunately, our multi-sig is among those frozen. @ParityTech is working on the situation and will provide updates when available. — Polkadot (@polkadotnetwork) 2017年11月7日 EIP-867の提案者であるDan氏が、ICOを行った音楽系のサービスMisiconomiも被害を受けています。そして昨今このような被害報告が急増しています。しかし、それに対する救済措置は殆ど行われていないのが現状です。むしろThe DAOで行われたハードフォークは、イーサリアム開発者の全面協力による特例的な対応であったと言えるでしょう。 そこで資金盗難・流出が発生した際に、大規模なハードフォークを行わずに資金回収をする方法がEIP-867で具体的に提案されました。 EIP-867で提案された資金回収方法 この提案では、実際に起こったParityの事件に限らず、ハッキングやコードの不備など様々な原因によって、あるウォレットからの資金が意図せず盗難・凍結した場合に、これを取り戻す方法が示されています。ここではある誤送金の例を用いて資金を取り戻すまでの一連の流れを解説します。 あるICOプロジェクトにてプロジェクト責任者が、誤ってテストネット(プログラムの評価や動作確認に使用する実際の金銭価値の無いネットワーク)で作成した振込先のアドレスをホームページ上に掲載した場合を考えます。 このアドレスはメインネット(金銭価値がある本物のネットワーク)でも有効ではありますが、秘密鍵はテストネットのものとは異なるために、この責任者はここに振り込まれた資金を利用することはできません。 問題が発覚した時には既に100人の投資家によってこの間違ったアドレスに500ETHが送金され、この500ETHは実質的に凍結されてしまいました。 ここでこの責任者は凍結した資金を解除するリクエストERP(Ethereum Recovery Proposals)によって、500ETHを投資家の元のアドレスに戻すような送金をすることを試みます。 まず責任者は、ERPの提案者としてイーサリアムのEIPコミュニティに、ERPの原案をEIP-xxx(xxxには提案番号が入る)として投稿します。 ERPの原案の中身 ERP原案には主に以下の内容が含まれています。 Verification script(検証コード) Verification scriptとは、イーサリアムのブロックチェーン上に存在するデータなどの事実を使って、State Change Actionsによって凍結資金の解除を実行するかどうかを決定する検証を行うコードです。 検証コードに具体的に記述された条件が満たされた場合に、検証コードはイーサリアムクライアントが実行できる形式のState Change Objectを生成して、凍結資金解除のトランザクションを生成します。 ここでは検証コードの例として、 ブロック番号○○~xxまでの取引にて誤ってメインネット上のテストネット用アドレスに500ETHが送金されたこと テストネット上でのこのアドレスには確かにICOプロジェクトのスマートコントラクトが実装されていたこと(つまり確立論的にメインネット上にこのアドレスの所有者は存在し得ないこと) 上記の全てが真実である場合には全ての送金者に投資されたイーサリアムを返却するState Change Objectを生成する と言った内容が書いてあるとします。 State Change Object これはイーサリアムネットワークのクライアントによって実行されるファイルの標準形式です。 この中には、ERPの番号(ERP id)や変更を要するブロック番号(Target Block)、そして検証コードを実行した際のブロック高(sourceBlock)と検証コードのバージョン(version)に加えて、資金返還を行うトランザクションがState Change Actionsとして記述されます。 State Change Actions この中には送金元のアドレス(凍結資金が保管されているアドレス)と送金先のアドレス(合計500ETHを送金した100人のアドレス)と返金するべき金額など、トランザクションの情報が具体的に記載されます。 (ERPの構造) ERPが承認されるまでの流れ EIPコミュニティに投稿されたERP原案は、以下の2つの立場の人たちからのフィードバックを受け、最後にEIP編集者の承認を受けます。 この資金凍結の関係者 プロジェクト関係者や実際に送金を行った投資家などがあたります。 特に被害に遭った投資家は、ERP原案のState Change Actionの中に確かに振り込んだ金額のETHが自分のアドレスに戻るようなコードが書かれているかを確認し、何かしらの誤りがあればコミュニティ上で指摘することができます。 非関係者 この資金凍結に関係が無い立場の人間が、検証コードに書かれている内容などが正しく実際に発生した事を記述できているか、これが実行された際に正しい資金凍結の解除がされるのかを判断します。これは裁判で言う陪審員や裁判官の役割に近いでしょう。 EIP編集者(EIP Editorship)による承認 フィードバックの期間は最低でも30日程度が必要だと述べられています。このフィードバック作業は、公開にて行われコミュニティ上では色々な議論が巻き起こるはずです。そして最終的にEIPの編集者が、コミュニティでの議論内容を踏まえてこのERPの提案を承認(Accept)するかを決定します。 ここで承認された提案はEIP可決案となり、公式なイーサリアムのアップデートとしてイーサリアムネットワークに拡散されることになります。 (ERP承認までの流れ) ERP承認から資金凍結解除までの流れ クライアントノードに伝わったERP可決案は、それぞれのクライアントノードで実行されていきます。まず検証コードが実行され、この時確かに検証内容が正しいと判断された場合には、State Change Actionsを含むState Change Objectを生成し、実際に資金凍結解除のトランザクションがイーサリアムネットワーク上に書き込まれていきます。 通常のトランザクション同様に、この凍結解除処理トランザクションも一定の時間が経過すれば有効となり、無事凍結した資金は送金者の元に戻っていくことになります。 (可決されたERP案はクライアントノードにて実行される) 以上がEIP-867で提案された凍結されたETHの取り戻しに関する仕組みになります。しかし凍結資金の取り戻しは非常にセンシティブな問題であり、議論が間違った方向に進めば誤って人の資金を不正に送金するツールになってしまう可能性も孕んでいます。後半の記事ではこの様なEIP-867に関して巻き起こっている様々な議論について解説していきます。
イーサリアム基盤技術を始めとしたエンタープライズ・ブロックチェーンの未来

イーサリアム基盤技術を始めとしたエンタープライズ・ブロックチェーンの未来

2018/02/19 at 7:13 PM 0 comments
ブロックチェーン(Blockchain)技術は2018年、企業の中枢を担う1つの要素になると考えられています。ブロックチェーン技術自体は、ビットコイン(Bitcoin)が誕生して以来、イーサリアム(Ethereum)等の仮想通貨の基盤技術として活用されてきましたが、仮想通貨の注目度が高まることで、多くの企業がブロックチェーン技術を積極的に取り入れ活用、革新しようと試みています。 仮想通貨としては時価総額第2位のイーサリアムブロックチェーン技術を活用しようと、2017年春にEEA(Enterprise Ethereum Alliance)が設立されたこともその証拠と言えます。 本記事では、企業向けのブロックチェーン技術であるエンタープライズ・ブロックチェーン(Enterprise Blockchain)について解説した後、エンタープライズ・イーサリアム(Enterprise Ethereum) の未来を考察していきます。 エンタープライズ・ブロックチェーン(Enterprise Blockchain)とは? ブロックチェーンには大きく分けて2種類あります。 パブリック・ブロックチェーンの特徴(Public Blockchain つまり Bitcoin or Ethereum, etc...) 匿名性が高い データがすべてのユーザーに共有されている コンセンサスアルゴリズムが現行はPoW エンタープライズ・ブロックチェーンの特徴(Enterprise Blockchain つまり  Hyperlegder, Ethereum Enterprise, Ripple,etc...) すべてのユーザーまたデジタルアイデンティティは特定の信頼の置ける組織によって認識されている データの読み書きはロールベースで幾つかのユーザーによる許可をもとに行われる。 複数のアルゴリズムがコンセンサスに使用される 多くの企業がブロックチェーン導入を試み、失敗を重ねているのが現状です。というのも、パブリック・ブロックチェーンを使用していたことが原因とされています。パブリックのものでは、各企業の持つ特殊なプロトコルを採用することが困難であったからです。 そこで、エンタープライズ用のブロックチェーンを代わりに使用することが考えられています。エンタープライズ・ブロックチェーンにも、さらにプライベートとコンソーシアムの2種類が存在します。 プライベート・エンタープライズ・ブロックチェーン 名前の通り、1つの組織または企業によって管理されるブロックチェーンのことです。 コンソーシアム・エンタープライズ・ブロックチェーン 複数の組織または企業によって管理されるブロックチェーンのことで、新規に参加する場合、複数の参加組織または企業からのコンセンサスが必要となります。 エンタープライズ・ブロックチェーンの強み、活用方法 エンタープライズ用のブロックチェーンを作り使用することは、企業にとって幾つかのメリットを提供します。そのため、大手IT企業(マイクロソフト、IBM、SAP、オラクル、etc.)や、様々なプロジェクトがエンタープライズ・ブロックチェーン技術を改良しようと研究開発を行っています。 活用方法 多くの業種や業務において将来を嘱望されています。 例えば・・・ サプライチェーンにおいて、全体の透明性と説明責任を改善する可能性があります。現在は材料の供給元の追跡、信憑性やオリジナルの証明、先行リコール、商品流通の加速などの用途において使われています。 資産管理の新たな方法として公共機関(国)からも新規需要を見出しています。 エネルギーの新たな売買方法を提供します。 これらを実現するためのプロジェクトは、上記の大手IT企業やプロジェクトによって推進されています。 メリット 全般的なメリットとしては、企業の取引や作業の効率化、迅速化。仲介者を減らすことによるコスト削減や時短。それによる収入の増加が見込めます。 エンタープライズ・イーサリアムの強み 各々の企業がブロックチェーン技術を改善している中、仮想通貨イーサリアムもエンタープライズ向けにブロックチェーン技術を提供しようと動いています。 エンタープライズ・イーサリアムの強みを、パブリックイーサリアム・ブロックチェーンと比較した場合と、他のエンタープライズ・ブロックチェーンとの比較に分けて解説していきます。 パブリックイーサリアム・ブロックチェーンと比較して 先述したように、イーサリアムはパブリックブロックチェーンであり、エンタープライズ向きではありません。一方でエンタープライズ・イーサリアムは非公開のブロックチェーンとして、その名の通り企業用途に合わせて設計されていることがあげられます。また、イーサリアムの特徴であるスマートコントラクトは実装されており、コンソーシアム型として使用するのには最適であると考えられます。 他エンタープライズ・ブロックチェーンと比較して 元々イーサリアム技術を使用していることで、最終的にパブリックのブロックチェーンとも連携することが考えられる点です。それにより、より信頼性の置けるデータ管理、取引契約を実施することが期待されます。 冒頭で記述したEEA(Enterprise Ethereum Alliance)が存在し、多くの企業が参加していることは産業横断型のベストプラクティスやブロックチェーンナレッジを、全業界に適宜に提供可能であることもさらなる魅力です。 エンタープライズ・イーサリアムの課題 全企業(全業界、業種)向けのベストプラクティスを目指しているため、より多くのEEA加盟企業が必要となります。それから技術面において、パブリックのイーサリアムプラットフォームとの連携を実現するための手段を模索している段階であり、今後、セキュリティ、スケーラビリティに関係した面を改善していく必要があります。 第一に、エンタープライズ・イーサリアムの実用例がないため、まだ改良、実用段階に移るための時間は必須と考えられます。 「EEA also plans to develop open industry standards. "This open source framework will enable the mass adoption at a depth and breadth otherwise unachievable in individual corporate silos and provide insight into the future of scalability, privacy, and confidentiality of the public Ethereum permissionless network," according to the press release.」(引用:https://www.techrepublic.com/article/growth-of-enterprise-ethereum-alliance-signals-blockchains-impact-on-future-of-business/) エンタープライズ・イーサリアムの未来 ブロックチェーンを導入する大手ライフサイエンス企業は、この5年間で83%にまで到達するといった予測が立てられています。それに準じて、その他多くの業界/企業も活用していくことは明白です。事実、ブロックチェーン技術を検討している北米とヨーロッパの大手銀行の割合は90%にまで達しております。 (引用:https://www.sap.com/japan/products/leonardo/blockchain.html#) 様々な競合、別プロジェクトが活発に動いている中、エンタープライズ・イーサリアムが先陣を切ってブロックチェーン技術を多くの企業に提供する未来は、もう数年の月日がかかると予想されます。しかしその時、世界の全企業の間で革新が起こることに疑いはありません。ブロックチェーン技術の動向、それに伴うイーサリアム・エンタープライズの飛躍に今後も注目です。 参考記事: https://www.linkedin.com/pulse/blockchain-enterprise-new-tech-old-problems-chad-woodward/ https://www.coindesk.com/enterprise-blockchain-may-finally-ready-breakout/ https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/accelerating-the-adoption-of-enterprise-blockchain/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000647.000000183.html https://www.sap.com/japan/products/leonardo/blockchain.html# http://gaiax-blockchain.com/enterprise-ethereum)
UNICEFがイーサリアム活用?マイニング寄付、寄付金の透明化、ICOの可能性も

UNICEFがイーサリアム活用?マイニング寄付、寄付金の透明化、ICOの可能性も

2018/02/16 at 6:28 PM 0 comments
ビットコインやイーサリアム等に代表される仮想通貨の人気の高まりと共に、その基盤システムであるブロックチェーンにも関心が集まっています。あらゆる産業がブロックチェーンの利便性に気づき始め応用を試みています。日本でも馴染み深い国際連合児童基金のUNICEFは、イーサリアムブロックチェーンの活用に関して非常に意欲的です。 イーサリアムの利便性に気づいたユニセフ ユニセフはブロックチェーンを用いた3つの潜在的用途を考案しています。募金の新たな手段の確立、内部プロセスの透明性向上、現地で契約されたトラック運転手など現場作業員等への支払い方法の改善です。 このシステム(イーサリアムブロックチェーン)の良い点は、契約の各段階のトランザクションを監視できる一方で、組織は仲介者なしで請負業者に直接支払いを行うことが可能になることです。 「Unicef sees three potential uses for blockchain technology: introducing new ways to donate money; creating greater transparency in internal processes; and potentially addressing issues like payments to partners of frontline workers, such as locally contracted lorry drivers. According to the organisation, one key benefit of the system is to allow organisations to send payment directly to contractors without the need for intermediaries, while Ethereum monitors the delivery of each stage of a contract.」 (引用:http://unicefstories.org/2017/08/04/unicef-ventures-exploring-smart-contracts/) 代表的なプロジェクトとして、イーサのマイニングによる募金の呼びかけ、イーサリアムブロックチェーンを用いた資金移動に関する実証実験の2つが行われています。 イーサのマイニングを通じた募金プロジェクト 概要 ユニセフはイーサリアムを使ってシリアの子供たちの人道支援をするため、Game Chaingersと呼ばれる募金活動を2018年2月2日より開始しました。これはグラフィックカードを使用し、仮想通貨のマイニングが可能なゲーマーを対象とした2ヶ月間のプロジェクトです。 シリアと周辺諸国には、緊急支援を必要としている子どもがおよそ830万人いるとされており、寄付されたイーサリアムをそうした子どもたちへ、飲料水・教育・医療・衛生サービスの形で提供する予定です。 寄付の仕組み Claymoreというマイニングソフトウェアをインストールするだけで、このプロジェクトに参加できます。参加するゲーマーが、コンピューターを使用していない時間に、ユニセフのイーサリアム・マイニング・プログラムを起動させます。参加者はコンピューターの処理能力へのアクセス以外は何も開示する必要はなく、マイニングできたイーサリアムはそのままユニセフのウォレットに送られます。 イーサリアムブロックチェーンを用いた実証実験 概要 ユニセフの関連会社である「UNICEF Ventures」は、2017年8月4日、イーサリアムのスマートコントラクトを活用した資金移動に関する実験を行うことを発表しました。 寄付においては、自身の寄付金がどのように使われているのか不透明な部分が多いのが現状です。しかし、UNICEFのウォレットアドレスは公開されているため、全てのトランザクションを見ることができ、資金の運用における透明性の向上が期待できます。 (引用:http://unicefstories.org/2017/08/04/unicef-ventures-exploring-smart-contracts/) 実験の目的 この実験の最大の目的は、集まった寄付金の流れを明らかなものにすることで、管理団体であるユニセフが寄付者の信頼を得ることにあるようです。 国際取引を追跡することは困難ですが、イーサリアムブロックチェーンを採用するよりことで改善することができます。人々がユニセフのような、大規模な国際機関に寄付したり参加したりすることを躊躇う要因は、自分の寄付金がどこに流れ、どのように使われるのか明確でないことです。 取引履歴が分散型元帳に記録された場合、自分のレコードを検索して資金の支払いを追跡し、自身の意図した人々の元に確実に寄付することができます。 「With the increased difficulty of tracking international transactions, the organization’s decision to employ an Ether Blockchain could help it gain more support. What prevents most people for donating or participating in large international organizations like UNICEF is the skepticism around where the money they donate will go and how it will be used. When the transaction history is logged in a distributed ledger, it allows even the average person to search their records and track the disbursement of funds to ensure their donations reach the people they were intended for.」 (引用:https://ebitnews.com/markets/ethereum/unicef-to-employ-ethereum-based-smart-contracts/) ICOの可能性 また、ユニセフはイーサリアムベースのトークンを発行するICOの実施も視野に入れているようです。現在は構想段階にあり、詳細は開示されていません。以下はユニセフ・ベンチャーズの共同創業者Christopher Fabian氏のコメントです。 「もし私たちが独自トークンを設計するとするならば、私たちが参加できるような形で他者を支援できるものにしたいと考えています。また、同時に暗号通貨で建てられた投資ファンドの可能性についても考えています。これらは近い将来のロードマップとなるかもしれません」 (引用:http://thebridge.jp/2017/10/no-token-response-unicef-is-open-to-doing-its-own-ico-pickupnews) 上述のように、ユニセフはイーサリアムの応用に非常に積極的であることが伺えます。資金運用の効率・信頼性を同時に高めるインフラとして、こういった基金にとってブロックチェーン技術は将来的に必要不可欠となるかもしれません。
単なる仮想通貨を超えたイーサリアムブロックチェーン/スマートコントラクトが可能にする未来

単なる仮想通貨を超えたイーサリアムブロックチェーン/スマートコントラクトが可能にする未来

2018/02/15 at 9:17 PM 1 comment
ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)に代表される仮想通貨に対し、疑心を抱いている方は多いでしょう。価格の推移(ボラティリティ)やチャートの動きは日々激しく、他の金融市場に比べると圧倒的に不安定です。 しかし現在人々の考える当たり前とは、過去当たり前であったのでしょうか。今回、仮想通貨の中で今年最も注目度の高いイーサリアムに焦点を当て、それが未来に及ぼす可能性について言及していきます。 未来。NO ONE KNOWS. ONLY FEW PEOPLE BELIEVE WHAT THE FUTURE CAN BE CREATABLE. 実現困難だと思われていた技術 冒頭で問いましたが、今の当たり前は過去当たり前だったのでしょうか。想像をふくらますためにも、複数の具体例を挙げてみたいと思います。 飛行機 飛行機が登場した当時、誰もが夢のように感じていた事が可能になりました。「空を飛ぶ」です。想像はできても、誰もが不可能だと考えていた事です。周知の通り、アメリカ出身の発明家ライト兄弟によって世界初の有人飛行機が誕生しました。現在では誰もが飛行機を使用することは当たり前ですが、飛行機が発明されるまでは多くの人が疑い、不可能だと考えていました。 しかし、ライト兄弟に他者からの大きな出資金はなく自己負担で、数人のそれを可能だと信じる者の助けを借り、夢に描いていた想像を実現するため尽力し成功させました。 携帯電話、スマートフォン 世界中の人と即時に連絡が取れる、離れていても話せる、カメラにもなる、音楽を聴ける、欲しい情報が手に入る。こんな製品を2,30年前に想像していた人は何人存在したのでしょうか。今では世界中ほとんどの人が当然に使用していますが、昔の人からしたら想像不可能であり、疑いを抱かざるを得ないのです。ガラパゴス携帯が誕生し、その後のスマートフォンでさえ疑い深い物でした。 現在私たちが使用している物すべてと言えるほど、普及当初は賛否両論で、疑いの念を抱かずにはいられなかったのです。コンピューターの誤作動が頻発した2000年問題後に、コンピューターの動きが完全停止する時が来ると多くの人が懸念した事が良い例です。 イーサリアムの技術 イーサリアム、その他の仮想通貨と同様に基盤となる技術はブロックチェーンです。イーサリアムはさらにスマートコントラクト技術も持ち合わせています。(詳細参照:https://consensysmediajapan.com/3429.html) イーサリアムを使用している個人個人が、各々のプラットフォームを共有することで改ざんを防ぎ、信頼のおけるデータを保管、管理していくことが可能です。また、イーサリアムのプログラム構造を理解してさえいれば、自由にイーサリアム技術を個人や企業が使うことができます。その例が、DApp(Decentarised Application)になります。(詳細参考:https://consensysmediajapan.com/3531.html) 現在は自社でアプリケーションを開発するとなると、各々にカスタマイズした管理システムであったり、基盤を構築しなくてはいけません。イーサリアムはそうではなく、イーサリアムプラットフォームという同一基盤上に、自由にアプリを作成することが可能な世界を創り出そうとしています。 「『失敗するとも、消えてなくなるだろうとも考えていない。しかし、同様に世界のあらゆるものを分散化する、バックボーンになりうるソフトウェアではないことも確かだ。イーサリアムはそうではない。例えば、今存在する、独自の台帳を持つあらゆるアプリケーションは、もはや台帳を持たずにすむようになるかもしれない。つまり、アプリケーションに特化した台帳が必要なくなるかもしれない。』」 (引用:https://btcnews.jp/vitalik-buterin-talked-ethereum-longtail/) イーサリアムが活用、応用された未来 上述したDAppのように、多くの人々がイーサリアムの技術を使用して新たなアプリケーション、ソリューションを提供しています。参考サイトには紹介のないDAppの1つに”Status”(https://status.im/)といったものがあります。このDAppは簡単に言ったらLINEのようなチャットツールです。 コミュニケーションツールは躍進し続けています。文通から電話回線、メール、アプリ(LINE,WhatsApp,WeChat,その他SNS)そして次はイーサリアムを基盤としたStatus等のDAppかもしれません。 現在普及している中でも、中国で主に使用されるWeChatの機能は群を抜いています。中国人は財布はおろかカード、現金さえも携帯しない時代なのです。それもすべてWeChatといったアプリが支払い、その他機能を兼ね備えてしまっているためです。 Statusがイーサを使用した決済機能を提供するにとどまらず、例えばメルカリのようなサービス、契約の絡む案件においてもまかなうことが可能になるかもしれません。その頃には現存するアプリケーションサービスは、すべてイーサリアムベースで稼働している可能性すらあります。 以上のように考えると、イーサリアムにすべてを管理されているように感じる方もいるかもしれません。しかし先述したように分散型でP2Pの世界であることは、自己アイデンティティの自己管理が可能なのです。出す相手によって、出す情報も、自分の管轄下です。これは、イーサリアムによって他者とつながっているのみにすぎないのです。 Facebookの場合、すべての個人情報はFacebookに管理監督されているが、イーサリアムは違います。これはイーサリアムを創造した若き天才ヴィタリック・ブリテン氏の想像、夢の果なのです。 「たとえば、ぼくらはいま、いくつかのデジタルアイデンティティをもっているけれど、それぞれのデジタルアイデンティティはひとつの企業によってコントロールされている。さまざまなサーヴィスにログインするためにGoogleアカウントとTwitterアカウントとFacebookアカウントを使うけれど、それはグーグルやツイッターやフェイスブックといった企業がぼくらのデジタルアイデンティティを管理下に置いていることにほかならない。ヤツらはぼくらがどんなサーヴィスを使っているかを知っているし、アカウントを閉鎖することだってできる。そして誰かがそうした企業をハッキングしたら、別のアカウントになりすますこともできる。」 (引用:https://wired.jp/special/2017/vitalik-buterin/) イーサリアムがもたらす現状改善 IoTとイーサリアムを組み合わせることで、ビジネスの様々な契約を簡略化していくことが可能になります。これはBtoCとBtoB両者に言えることです。 例えば、BtoBでは発注や受注の管理を効率化することで、全体の業務効率を改善していきます。BtoCに関しては、顧客の情報管理や契約に関する全プロセスをより効率に、安全に行うことが可能です。個人情報の漏洩が発生することのない、安全な世界が実現される可能性を秘めています。それでいて、情報の質も高いことに文句の言いようはないでしょう。 「例えば、IBMはモノのインターネット(IoT)にブロックチェーンを利用するプロジェクトをイーサリアムを使って進めています。この中のサムスンとの実験では家庭用洗濯機が洗剤残量を感知し、自動的に報告すると共に、洗剤の発注書を自動作成し、実際に発注を行う。これを受けた洗剤販売会社も自動的に洗剤を発送し、発送通知を行う。そして、代金の決済も自動的に行われます。」 (引用:http://cryptpark.com/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B%EF%BC%9F%E4%BD%95%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F/) 多くの銀行では、イーサリアムのスマートコントラクト技術を使用することで、業務の多くを自動化しようと研究が行われています。銀行振込、決済等にかかる時間をリアルタイムで完遂することは、今の銀行を利用する顧客の利便性を圧倒的に改善することでしょう。(参照:https://consensysmediajapan.com/3463.html) 現在のイーサリアムの課題、改善点 イーサリアムの現状の課題は、トランザクションに要する時間です。トランザクション詰まりが起こる根本的な原因としては、ある一つのブロックに書き込めるトランザクションのデータ量に限りがあることです。その解決策としてオフチェーン処理(プラズマ、ライデン)または、PoSの導入、シャーディングが挙げられます。詳しくは下記を参照ください。(参照:https://consensysmediajapan.com/3860.html) さらに、DAppに関する課題として、現在稼働しているDAppまた構想段階の物の中に、イーサリアムの技術でしか生み出せない物がないことです。イーサリアムを基盤にするメリットはあっても、Only1の存在には未だなりきれていないのです。  「イーサリアムのための具体的なユースケース、特に、『ブロックチェーンを使用しなければ作れないアプリケーション』は、残念ながら現状存在していないと話した。」(引用:https://btcnews.jp/vitalik-buterin-talked-ethereum-longtail/) まとめ 冒頭で述べたように、ライト兄弟は夢をあきらめず理想と格闘し続けました。その結果、現代の人々には欠かせない移動手段である「飛行機」が生み出されたのです。現存する全ての製品や技術は誰も知らないところから、誰かによって生み出された”ZERO TO ONE”の物なのです。 イーサリアムもまさにゼロから生み出され、今後50にも100にも成長していく技術なのです。創造者である23歳のブリテン氏が、今後も理想を追い続け苦闘していく中で、社会から真の信頼を掴み取る技術となりうるでしょう。 NO ONE KNOWS, ONLY FEW PEOPLE BELIEVE WHAT THE FUTURE CAN BE CREATABLEと記述しましたが、ブリテン氏の今の活動を知り、期待を持つこともFEW PEOPLEに該当すると考えられます。今後の彼の夢や、コミュニティの努力を信じることくらいは、誰にでもできるのではないでしょうか。 今後のイーサリアムコミュニティの活躍、エコシステムの飛躍は彼の理想の実現であり、世界に飛行機や携帯電話が生まれたときのような衝撃を残すことになるかもしれません。また、それが全ての人々の当たり前となる日も近いのかもしれません。
2018年イーサリアム価格予想 27万円に到達するか?

2018年イーサリアム価格予想 27万円に到達するか?

2018/01/25 at 7:56 PM 0 comments
2017年イーサリアムの動き 2017年、イーサリアムは全仮想通貨市場でビットコイン(BTC)に次ぐ、トップ2の仮想通貨へと成長を遂げました。2017年において、ビットコイン(BTC)価格は約1300%上昇しました。これに対し、イーサリアム(ETH)はそれを上回る約9000%に及ぶ成長をとげました。 (引用:https://jp.cointelegraph.com/news/the-cream-of-the-crypto-crop-10-best-performing-assets-in-2017) 2018年イーサリアム 3つの予想 予想1: 2018年末に27万円に到達するか? 2018年は「イーサリアムの年」とも言われているように、イーサリアムの未来は明るいと考えられます。1月上旬、仮想通貨の王者であるビットコイン及び多数のアルトコイン価格が下落していたにも関わらず、イーサリアムの価格は急騰し、Investing Havenで予測されていた17万円超に到達しました。 現在は中国政府による取引所の規制や、韓国の行政機関の動向など、様々な要因によって、仮想通貨全体の価格が急落しています。イーサリアムの現在の価格は約8万円ほどで停滞しているのが現状です。最高値から約半分ほどに価格が下落しています。(2月8日現在) (引用:https://jiomobilephone1500.com/ethereum-price-prediction-2018-2019-2020-eth-forecast-estimate.html) しかし、CRYPTCURRENCYのイーサリアム 価格予想は2018年末には2527ドル(約27万8000円)になると予想しています。上記の2018年から2020年の予測は、2017年の価格変動を元に計算されており、前年同様に成長した場合、イーサリアムは上記の価格になると予想されています。(急落がおこる前の予測だが、年間の伸び率から考えると今回の急落は関係無いと考えられます。) 価格上昇要因①需要増加 (引用:https://www.stateofthedapps.com) イーサリアムの需要増加の背景には、イーサリアムをベースとしたDecentralized Applications (以下DApps) の増加が考えられます。DAppsとは「非中央集権型・分散型のアプリケーション」で、①オープンソースで②流通可能な暗号トークンを持っており③ユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善する、といった定義付けがされています。 Dappsの詳しい説明はこちらに記載しています。 (Cryptokittiesイメージ 引用:https://bitcoinmagazine.com/articles/how-hackathon-birthed-cryptokitties-origin-story1/) 開発されたDApps を分類して展示しているSTATE OF THE DAPPSによると、2018年1月24日時点で、977のDApps開発され流通しています。中でも2017年11月28日に発足された「Cryptokitties」は、一時イーサリアム取引が滞る程の取引が行われ、世界各国から大注目を浴びました。Cryptokittiesとはその名の通り「仮想上の子猫」です。Cryptokittiesの詳しい説明はこちらに記載しています。 DAppsの更なる開発は、イーサリアムの価値・需要を高める潤滑油的要因として期待できます。5〜7年後にはこのような分散型のブロックチェーンアプリケーションの数が20-30倍に増加すると予測されています。それに伴うイーサリアム価格の上昇が予想されることに疑いの余地は無いでしょう。 イーサリアムの最大の特徴である「スマートコントラクト」も需要増加を促進していると推測されています。スマートコントラクトとは、その名の通り「(賢い)smart(契約)contract)」と解釈でき、契約の全てのステップが「自動化」されることを意味します。契約が自動化され実行履歴が全て記録されるため、契約の不正改ざんや詐欺リスクが減少し、取引の透明化が期待されます。また、スマートコントラクトはコストの低下に期待されています。現社会システムでは、買い手が商品を購入する際は第三者機関を通じて取引をする方法が多いですが、スマートコントラクトは第三者を介さず自動的にプログラム上で取引が可能となるため、不正を防ぐ機能だけでなくコスト削減にも繋がることが理由です。 価格上昇要因②供給減少 イーサリアムの価格上昇の要因として、供給の減少(=発行数の減少)も挙げられます。市場が急激に拡大し価格が暴騰した背景には、半減期によるマイニングの報酬が低下(EIP186)したことが要因として考えられています。 「イーサリアムの高騰要因として、マイニングの報酬減少(EIP186)があげられます。PoS移行前の段階として、1ブロックの報酬を5ETHから1.5ETHまでの減少を予定しています。更に、今後のハードフォークで予定されているCasper(PoWからPoSに移行)の実装を通して、ETHの発行数の制限を図ります。」 (引用:https://consensysmediajapan.com/3512.html#chapter-13) マイニング報酬の減少(=供給減少)により、高い費用と電力をかけてマイニングする者が減少します。マイナーによる売り圧が低下することで、既に発行されているコインの需要・価値が高まります。売り圧の低下に関しては、こちらの記事を参照ください。 「半減期を設けることで、マイナーの量、発掘量を調整し、できるだけその仮想通貨が急激な価格変動を起こさないようにしている」 (引用: https://kasoutsuuka-matome.com/2017/07/07/kasoutsukahangenki/) 予測2: イーサリアムはビットコインの市場を追い抜く?!! イーサリアム急浮上 2018年でイーサリアム市場規模は仮想通貨全体の30%に到達、4ヶ月前には仮想通貨市場の90%をビットコインが占めていましたが、イーサリアムは2018年1月1日から10日まで価格を2倍にまで吊り上げ17万5000円(1590USD)にリーチし、ビットコイン市場を脅かしました。 現在(2018年2月8日)のビットコインの基準価格80万円(767ドル、2月8日時点)、最高値(220万円)から相当な暴落を記録していますが、2017年当初の価格は約10万円でした。ビットコインは8年間という長い年月を経て、この価格に到達したのです。一方、イーサリアムは2015年に誕生した、まだ若い通貨といえます。それにもかかわらず、僅か3年目にして市場の30%を確保している事は驚くべき事実なのです。 (参考:https://investingpr.com/ethereum-price-predictions-for-2018/) 機能面でのイーサリアム(ビットコインとの比較) イーサリアムには独自の強みであるスマートコントラクトテクノロジーがあることで、多くの企業を惹きつけています。イーサリアム企業連合であるEnterprise Ethereum Alliance (EEA)は、JPモルガンやマイクロソフトを含む300社以上のメンバーで形成されています。同連合は、イーサリアムの成長促進を目的として活動しています。 Since its February 2017 launch, EEA has amassed close to 300 partners, including world governments, central banks, private entities, and players from industries spanning supply chains, medical services, energy production, and more. With the addition of this trio of research endeavors, EEA's number of working groups totals 17. (引用 https://www.ethnews.com/eea-adds-new-working-groups) 対するビットコインは決済のテクノロジーに重点を置いているため、イーサリアムのような私たちの日常生活に絡むような利用法を決済以外で増やすことが難しいとされています。 予測3: 未解決問題 伸び悩む可能性... 中国政府の規制による仮想通貨全体の急落現象以前、イーサリアムの相場は非常に上向き傾向にありましたが、実は、未だ解決されていない重要な課題が残されているのです。それを解決するまではイーサリアム価格の大きな変動は起こりうるといえます。不安定であるということをポジティブにとらえると、問題解決が成されれば、価格の大幅な上昇が予想されることでもあります。 問題①ビットコインの課題でもあるスケーラビリティー ユーザーが増えることは必然的に通貨の価値が上がることを意味しますが、一方でユーザーが急増すると、取引に掛かる時間に悪影響を及ぼす可能性があります。これは「スケーラビリティ問題」とも呼ばれ、解決に向けて数々の施策が研究されています。 イーサリアムは今年から2019年にかけてCasperの導入が予定されています。PoW (Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムからPoS (Proof of Stake)への移行が計画されています。Casperの導入によりスケーラビリティは解決し、ユーザーの確保と価格の上昇が期待されています。詳細な説明は、下記記事を参照ください。 イーサリアムのスケーラビリティ問題とその解決策 イーサリアムブロックチェーンの仕組み PoSが解決すること ビットコイン&イーサリアムブロックチェーンの仕組み PoWの特徴と課題 The problem is, it’s tricky to preserve this balance while also growing the number of users (especially to the point where average people can use the system to purchase coffee or run applications). That's because ethereum depends on a network of 'nodes', each of which stores the entire ethereum transaction history and the current 'state' of account balances, contracts and storage. This is obviously a cumbersome task, especially since the total number of transactions is increasing approximately every 10–12 seconds with each new block. The worry is that, if developers raise the size of each block to fit more transactions, the data that a node will need to store will grow larger – effectively kicking people off the network. If each node grows large enough, only a few large companies will have the resources to run them. (引用: https://www.coindesk.com/information/will-ethereum-scale/ ) 問題②イーサリアムのテクノロジーのクローン化が起こる可能性 現に多数のICO案件(アルトコイン)が生み出されているように、どのような企業・個人でも、独自のブロックチェーンを基盤とした仮想通貨を生み出すことができます。コインの価値を決定付けているのはコインをサポートしているコミュニティーであり、大企業が同等の通貨を作れば、市場にかなりの衝撃を与えるかもしれません。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MFUG)が2018年度中に独自の仮想通貨「MUFGコイン」を発行し、それに伴う新たな取引所を開設する方針を表明しました。 「取引所を自ら管理することでコインの価格の変動を抑え、安定的に決済や送金に使えるようにする」 (引用: https://mainichi.jp/articles/20180114/k00/00m/020/098000c) (引用:https://mainichi.jp/articles/20180114/k00/00m/020/098000c) まとめ 上述の通りイーサリアムは多くの潜在能力を秘めていることで、今後の価格上昇の可能性が示唆されています。しかし一方で、あくまで潜在的可能性、その性能を発揮するためには改善解決しなければなら無い問題も多く抱えています。さらに、近日の仮想通貨価格大暴落のような突発的な仮想通貨界の問題も起こります。そのため、価格推移だけにとらわれず、現状のイーサリアムのプロジェクト、課題がどう動いていくかに注目していくことが、イーサリアムの価格を予想する上で重要になると考えられます。
【イーサリアムとは?総集編】仮想通貨/ブロックチェーン技術仕組み/変遷

【イーサリアムとは?総集編】仮想通貨/ブロックチェーン技術仕組み/変遷

2017/12/22 at 6:00 PM 0 comments
「仮想通貨」「暗号通貨」「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」「イーサリアム(Ethereum/ETH)」。様々な媒体を通して、これらの単語を頻繁に耳にするようになったのではないしょうか。 本章では「イーサリアムとは何か?」をテーマにし仮想通貨・暗号通貨の定義、ブロックチェーンの技術や、イーサリアムに関する情報をまとめていきたいと思います。 第1章【イーサリアムとは?】 仮想通貨/暗号通貨とは? 「仮想通貨」とは、「インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用できる通貨」です。特徴として、完全に分散化された仮想通貨は、中央銀行や国等の発行主体・管理者が存在しません。(一部、発行主体が存在する仮想通貨もあります) 「仮想通貨とは、インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用でき、中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず専門の取引所を介して円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換できます。仮想通貨の種類は600種類以上あるといわれています。」 (引用:https://bitflyer.jp/ja/glossary/virtual_currency) 「暗号通貨」とは、仮想通貨の一種であり、暗号技術を応用したものです。暗号技術を用いる事によって、取引上の記録の改ざんや詐称を阻止し、安全性を保証します。 暗号通貨の例として、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン等が挙げられます。この章では、イーサリアムについて解説していきたいと思います。 「暗号通貨とは、セキュリティ対策として暗号技術が利用されている通貨です。Virtual Currencyとも価値記録とも呼ばれます。公開鍵暗号、ハッシュ、その双方を用いた電子署名等の技術が利用されています。暗号通貨の対義語として法定通貨があげられることが多いです。法定通貨は日本円や米ドルなど法律で価値が保証された通貨です。法定通貨はFIAT通貨とも呼ばれます。電子マネーなどの第三者式支払手段は暗号通貨に含まれません。」 (引用:https://bitflyer.jp/ja/glossary/cryptcurrency) ブロックチェーンとは? イーサリアムの説明に入る前に、まずは仮想通貨にとって必要不可欠な技術「ブロックチェーン」の仕組みを説明したいと思います。 「ブロックチェーン」とは、仮想通貨における「取引データ」の技術です。取引履歴は「トランザクション」と言い、一定期間における複数のトランザクションの集合体が「ブロック」となります。「ブロックチェーン」とは、これらのブロックが鎖状で保存されたものになります。 「ブロックチェーン」とは、ビットコインの中核となる「取引データ」技術のことを指します。取引のデータ(履歴)を「トランザクション」と呼び、そして、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」と言います。このブロックが連なるように保存された状態が「ブロックチェーン」です。 (引用:https://ferret-plus.com/7706) ブロックチェーンの特徴として、P2P (Peer to Peer) ネットワークを利用しているため、中央集権的な管理組織が存在しません。つまり、ブロックに記録された取引情報がネットワーク上で共有され、ユーザー同士又は複数のコンピューターが「分散」して管理しあう仕組みとなっています(これを分散型取引台帳と言います)。 更に、「分散型自動化組織」(Decentralized Autonomous Organization / DAO)というシステムを採用しているため、管理主体を持たずに、一定の「ルール」や「プロトコル」に基づいた組織として機能しています。 「DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略称であり、日本語では一般的に自律分散型組織と呼ばれている。これは2013年ごろから、ビットコイン・ネットワークの運営体制から着想を受けて提唱されたコンセプトで、分散的に、組織や会社、コミュニティ自体が自律して運営されることを表している。組織を会社と言い換えて、DAC(Decentralized Autonomous Corporation)と呼ぶこともある。DAOには特定の主体がおらず、いかなるビジネスルールや制御下に置かれていない。意思決定や意思決定に至るためのプロセス、実行、組織全体のガバナンスや紛争解決は人ではなく、プロトコルが予め定めたルールに従って執行する。これを実現するためには、自律分散型である必要がある。」 (引用:https://btcnews.jp/dao-and-the-dao-and-bitcoin-governance/) なぜブロックチェーン上のデータは改ざんが難しいのか? ①P2Pネットワーク ユーザー間でデータが共有されているので、改ざんが難しい。 ②中央サーバーが存在しない 「特定の中央サーバー」が無いため、データ破損が生じた場合においても、他データやブロックから復元可能。 ③ブロックは「ハッシュ化」されている 取引件数、取引量、ハッシュ値、前ブロックのハッシュ値等のデータが、全て鎖状で記録され、取引内容の改ざんやハッキングはほぼ不可能。 ④プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW) コンピュータの演算処理によって、取引承認/マイニング(採掘)が行われる合意形成アルゴリズム。ネットワーク全体の51%以上のコンピュータパワーが無いと改ざんできない。 ブロックチェーンの種類? パブリック型とプライベート型の二種類があります: 「パブリック型(パブリックチェーン)は、中央集権的な管理期間を持たず、不特定多数のだれでも自由に参加でき、だれでもマイニングに参加できるブロックチェーンを指します。ビットコインが代表的です。」 「プライベート型(プライベートチェーン)は、管理者がいるのが特徴です。マイニングを行うためには、管理者の許可によってコントロールできるため(パブリック型はマイナーの賛同を得なければならない)、金融システムの管理などに活用できるでしょう。」 (引用:https://ferret-plus.com/7706) イーサリアムとは?/ビットコインに次ぐ市場規模 イーサリアムとは、スマートコントラクトの実装・分散型アプリケーション(DApps)の構築が可能な「分散型」ブロックチェーンプラットフォームです。また暗号通貨・仮想通貨の一種で、通貨単位はイーサ(Ether / ETH)です。ETHは様々な仮想通貨取引所/プロジェクト/DApps等において使用/売買されています。 「分散型グローバルコンピューティングプラットフォーム」又は「だれでもスマートコントラクトベースの分散型アプリケーション(DApps: Decentralized Applications)を作り、保存して実行できるバーチャルマシンです。」 (引用:https://gatecoin.com/ja/ethereum/) 「ブロックチェーンを使った様々プロジェクトの総称」  (引用:http://crypto-currency.site/?p=909) 「スマートコントラストを実行することができる分散型プラットフォーム」 (引用:https://ethereum.org) coinmarketcap.comによると、ビットコインの時価総額は$286,070,473,640(約32兆円)で、イーサリアムの時価総額は約$81,331,473,019(約9兆円)です。イーサリアムはビットコインに次ぎ、2位の時価総額を誇ります。 仮想通貨全体の時価総額$638,237,664,633(約72兆円)で、ビットコイン及びイーサリアムで全体の約57.6%となります。 (12月21日午後13時調べ 引用:https://coinmarketcap.com) イーサリアム・クラシックとは? イーサリアム・クラシック(ETC)とは、ハードフォークによってイーサリアムから分家した仮想通貨です。イーサリアム上で、「The DAO」というプロジェクトが約150億円に及ぶ資金をICOによって調達しました。しかし、The DAOのスマートコントラクトコードの脆弱性により、日本円で約50億円程の資金が不正に送金されました。これを「The DAO事件」と呼びます。 事件発生後、イーサリアムコミュニティは「ハードフォークによって、不正送金が行われる前の状態に戻す」という決断に至りました。しかしコミュニティ内では反対派も存在し、この決断に反発したコミュニティによって「イーサリアム・クラシック」が作られました。 「イーサリアムクラシックが生まれた契機は、イーサリアムを利用したプロジェクトであるThe DAOのスマートコントラクトコードの脆弱性を突いて当時の金額で約65億円相当のイーサリアムが不正に送金された『TheDAO事件』と呼ばれる事件です。これに対しイーサリアム開発チームは『ハードフォークによって不正送金が行われる前の状態に戻す』という手段を取ることで解決を図りました。そして最終的にはコミュニティの約90%がこれに賛成し、ハードフォークが実行されイーサリアムの不正送金は無効化されました。」 (引用:http://businessblockchain.org/about-cryptocurrency-ethereum-classic) イーサリアムの需要と供給 <供給> currexy.comによると、12月19日午前11時時点のイーサリアムの供給・発行量(下記を参照)は96,426,711 ETHです。2014年の初期発行量の7200万ETHに比較すると、約2200万ETH増加しています。今後更に増加する可能性があり、増加以降は一定量に保たれると考えられます。 (12月19日午前11時調べ 引用:https://www.currexy.com/cryptocurrency/ethereum) <需要> 今後、イーサリアムの需要は更に高まることが予想されます。 現在、多くの人々・団体・企業がイーサリアムの独自の技術「スマートコントラクト」に注目している為、一種の投資対象として多くの投資家を引き寄せています。 又、イーサリアムを用いて、他のICOプロジェクトへ投資することが出来ます。今後、ICOが継続的に実施されれば、ICOに投資するためのイーサリアム買い需要が更に高まるでしょう。 更に、イーサリアムやスマートコントラクト技術を応用した分散型アプリケーション(DApps)の構築数増加による需要増大も考えられます。Investing Havenの研究チームによると、約5〜7年後には、DApps数が20〜30倍程の増加が予測されています。 a. The current and future supply of Ethers There are currently 92 million coins of Ether in circulation. Although this number is likely to increase over the next couple of years, it will probably flatline after that. Which means that the developers in charge of Ethereum will make sure that the number of circulating coins stays constant. b. Ether applications The edge Ether has over Bitcoin is the ability to use smart contracts. These are contracts that are automatically executed without any human intervention the instant their terms are met. However, Ethereum also permits developers to build decentralized apps, also known as dapps, on top of its blockchain technology. Interestingly, the more apps are built, the more valuable the Ether becomes. The research team at Investing Haven expects that 5 to 7 years from now, we will see a 20 to 30-fold increase in the number of decentralized blockchain apps from the numbers we have today. c. Ether demand Demand for Ether will be driven by one of two things. Either for its functionality as a currency that is built on a blockchain with several applications. Or as a possible investment vehicle that keeps appreciating in value. When it comes to the functionality of Ether, the technology behind smart contracts is what interests people most. However, as we just saw, the building of new applications on top of the Ethereum blockchain will also drive up demand. (引用:https://investingpr.com/ethereum-price-predictions-for-2018/) Who is Vitalik? ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、イーサリアムを考案/構想した人物です。彼は幼い頃から仮想通貨に魅了されていました。大学時代には、世界中のビットコインプロジェクトを見回る旅を5ヶ月間続け、ブロックチェーンの更なる潜在性及び可能性に気づきました。同氏は19歳という若さでブロックチェーンの「分散型」という特徴に着目し、イーサリアムの開発に至りました。 経歴  1994年:ロシア・モスクワにて生まれる  2011年:仮想通貨に特化した出版社「Bitcoin Magazine」社の共同設立者となる      「Thiel Fellowship」(大学中退者に10万ドル支援するプログラム)に選抜  2012年:ウォータールー大学在学中、情報科学国際オリンピックでメダル獲得  2013年:19歳の時、イーサリアムを考案する  2016年:「Fortune」誌の「40 Under 40」に選出 (写真:http://crypto-currency.site/?p=909) 何の課題解決を目指しているのか  ・より安全な仮想取引を実現、透明性の向上 過去の契約内容が半永久的に保存され、信用情報が自動的に蓄積されます。P2Pネットワーク及びブロックチェーンの仕組みによって、改ざんや偽造を困難にします。 ・マイナーの寡占化や集中化問題の解消 「Proof of Work」という合意形成/承認アルゴリズムは(第2章で説明)、演算が早ければ早いほど、報酬を得られる確率が上がります。例えば、スーパーコンピュータ等の技術を持つ人は、圧倒的に有利です。 イーサリアムは今後のハードフォークを通して「Proof of Work」(以下PoW)から「Proof of Stake」(以下PoS)に移行する予定です。PoSに移行した場合、「コイン(資産)保有量」によって報酬が貰えるようになり、上記のようなマイニング(採掘)の集中化を避ける事が可能になります。 ・コストの削減 第三者や仲介者を必要とせず、ユーザー間で取引を行うので、コストの低下に繋がります。 第2章【他暗号通貨/ブロックチェーンとの違い】 ビットコインとの違い/スマートコントラクト イーサリアムの最大の特徴は、「スマートコントラクト」という技術です。 「スマートコントラクト」という呼称及び概念は、1994年に暗号学者Nick Szaboによって提唱されました。Szabo氏は、自動販売機を同概念の「起源」としました。彼によると、自動販売機はとても「シンプルなメカニズム」により、表示価格に基づき硬貨(コイン)を受け取り、商品を提供します。これは一種の契約として成立し、硬貨を持っている人は取引参加者として、業者(仲介者)の介入無しに取引を執行できます。更に、金庫によって、硬貨は攻撃者(窃盗)から守られます。 「A canonical real-life example, which we might consider to be the primitive ancestor of smart contracts, is the humble vending machine. Within a limited amount of potential loss (the amount in the till should be less than the cost of breaching the mechanism), the machine takes in coins, and via a simple mechanism, which makes a freshman computer science problem in design with finite automata, dispense change and product according to the displayed price. The vending machine is a contract with bearer: anybody with coins can participate in an exchange with the vendor. The lockbox and other security mechanisms protect the stored coins and contents from attackers, sufficiently to allow profitable deployment of vending machines in a wide variety of areas.」 (引用:http://www.fon.hum.uva.nl/rob/Courses/InformationInSpeech/CDROM/Literature/LOTwinterschool2006/szabo.best.vwh.net/idea.html) イーサリアムにおけるスマートコントラクトの概念もSzaboの思想に基づきます。 ブロックチェーン技術を応用したアプリケーションやプラットフォーム上で、コントラクト(契約)の「自動化」によって契約の条件確認から決済/履行までの過程を自動的に執行するプロトコル/プログラムを指します。 (引用:http://gaiax-blockchain.com/smart-contract) スマートコントラクトのメリット ①トラストフリー(契約相手方を信用する必要/カウンターパーティリスクが無い) 契約のプログラムに沿って自動的に実行され、改ざんや詐欺を防ぎ、相手の契約を「信用」する必要性を排除します。同時に、取引履歴が公開される為、透明性の向上に貢献します。 ②コスト低下 第三者機関/仲介者を必要とせず、契約に関する訴訟等も減少し、コスト削減に繋がります。 コンセンサスアルゴリズム ブロックチェーン上の取引承認プロセスは、予め定められたルール「コンセンサス(合意形成)アルゴリズム」に基づいて実行されます。代表的なアルゴリズムは2つあり、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake / PoS)と呼ばれています。 プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW) 「演算量(Work)による証明」を意味し、投入した演算量が多いほど、ブロック承認の成功率が上がります。よって、より多くの報酬をもらえる仕組みとなっています。 プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake / PoS) 「コイン保有量(Stake)による証明」を意味し、保有量が大きいほど、ブロック承認の成功率が上がり、報酬をもらえる仕組みとなっています。 現在イーサリアムは、ビットコイン同様にPoWを採用しています。しかし、2018年に実施予定である第四段階のセレニティへの移行アップデートでは、PoSアルゴリズムへの移行が完了すると見込まれます。 DApps(分散型アプリケーション)構築プラットフォーム Decentralized Applications(以下DApps)とは、直訳すると「非中央集権型・分散型のアプリケーション」です。 DAppsに投資するDavid Jonston氏のVCファンドの定義によると、DAppsとは、下記要件を全て満たすものを指します: ①アプリケーションはオープンソースである。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たない事。トークン・データ・レコード等につき、暗号化・分散化されたブロックチェーンを利用している事。 ②アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っている事。アプリケーションの利用に際してトークンを利用する事。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われる事。 ③アプリケーションは、マーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していく事。この改善は、ユーザーのコンセンサスによる事。 (引用:http://doublehash.me/what-is-dapps/) (英語版原文:https://github.com/DavidJohnstonCEO/DecentralizedApplications) 第3章【イーサリアムのロードマップ・課題・どう解決していくか】 4段階の説明 イーサリアムのアップデートは、大きく分けて、フロンティア、ホームステッド、メトロポリス、セレニティの第4段階に分かれています。各段階における詳細は、下記の通りです: 第一段階:フロンティア Frontier( 2015年7月〜2016年3月) イーサリアムネットワークの初期リリース DAppsのツール構築が可能 イーサリアムネットワークとの適合性テストが可能 第二段階: ホームステッド Homestead( 2016年3月〜2017年10月) 商業企業向けのプロダクションをリリース プロトコルの改訂:ネットワークアップグレードやトランザクションの高速化 MicrosoftやIBMを含む大手がイーサリアムベースのプラットフォーム開発を開始 第三段階:メトロポリス Metropolis ( 2017年10月〜2018年??) ビザンチウム(2017年10月17日〜)及びコンスタンティノープルの二つのハードフォークに分かれている 4段階において、大きな「肝」と言われている 第四段階:セレニティ Serenity(2018年〜2019年??) イーサリアムの最終段階  最大の目標は、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSに移行する事 Frontier The initial release of the Ethereum network that went live in July 2015. It was a bare bones beta release that allowed developers to learn, experiment, mine Ether (ETH), and begin building Dapps and tools. Homestead The second major version of the Ethereum platform and the first production release of Ethereum, which was made public in March 2016. It included several protocol revisions and a network change that provided the ability for further network upgrades and sped up transactions.」 (引用:https://www.ethnews.com/ethereums-road-map-for-2017) 今後の課題・具体的な解決策(主にMetropolisアップデートにおいて) ①プライバシー保護の強化 メトロポリスアップデートにおける目玉となるのが、ゼロ知識証明技術です。EIP96、197によって、zk-SNARKs(ゼロ知識証明の手法)が適用されます。zk-SNARKsとは、Zcashの暗号ツールの一つであり、取引内容の詳細を必要とせず、取引の正誤の確認を可能にするプロトコルです。ユーザーの匿名性及びプライバシー保護の向上に繋がります。 zk-SNARKs:Zcashの基礎となる暗号ツール。取引内容を確認する事なく、ユーザーのプライバシーを保護しながら、情報の正誤を証明するシステム zk-STARKs:zk-SNARKsの改良版。コスト面・スピード面・スケーラビリティ・安全面において優位性が保証されている(https://www.coindesk.com/zk-starks-new-take-on-zcash-tech-could-power-truly-private-blockchains/を参照) ゼロ知識証明:暗号理論において、当事者が真実が偽の記述以上の物を受け取ることなく、声明が正しいかどうかを検証する事を可能にする技術(引用:https://consensysmediajapan.com/3181.html) ②セキュリティの強化 The DAO事件等、ハッキング被害による問題が顕在化し、セキュリティ面において懸念視されていました。今回のアップデートで、「マスキング」が可能となり、ユーザー自ら秘密鍵のアドレスを決める事が可能となります。セキュリティ強化により、量子コンピュータ等の攻撃に対しても安全となります。 ③スマートコントラクトの簡略化・プログラミングの負担軽減 スマートコントラクトの簡略化により、プログラミングが簡素化され、プログラマーの負担を減らします。更に取引実行において、ガスコストの節約にも繋がります。 ④スケーラビリティ問題/マイニング難易度の向上 マイナーによって、手数料の高いトランザクションが優先的に処理されます。よって、安い手数料のトランザクションが残り、送金や取引が完了せず、取引承認の遅延が発生しています。これをスケーラビリティ問題と言います。 解決方法として、承認アルゴリズム/マイニング方式の移行(PoW→PoS)があげられます。PoS移行によって、マイニング時の電力消費量の低減や、処理速度の加速化に繋がります。今回のメトロポリスのビザンチウム・ハードフォークでは、PoS移行は途中段階にあります。移行を完成させる為には、先に「ディフィカルティボム」という問題を解決する必要があり、現在は「エテリアムアイスエイジ」に突入しています。 ディフィカルティボム問題・アイスエイジとは? 現在のイーサリアムの平均ブロック生成時間を確認すると30秒に到達しており、15秒の2倍のブロックタイムになっていることがわかり、つまり単純に考えて送金時間が通常の2倍であることがわかります。またこのディフィカルティ増加は指数関数的に増えていくため最終的には恐るべき速度でブロック生成できなくなっていきプロトコルが停止してしまいます。これを通常アイスエイジ(イーサリアムの氷河期)と呼んでいます。 (引用:https://ethereum-japan.net/ethereum/metropolis-hardfork-byzantium/) もう一つの解決策として、「シャーディング」(Sharding)があります。シャーディングとは、マイニングを実施する端末を複数のサーバーに繋げ、作業を分散させる事を言います。承認作業が分散される事によって、各端末の作業負荷の減少に繋がります。 PoS移行時への懸念 PoSのメリット: ①51%問題への対抗力向上 51%問題とは、個人・団体によって、51%以上が支配される事により、不正に二重支払いになってしまう事があります。この問題は、PoWで生じる問題として取り上げられていて、PoSに移行する事によって、51%問題に対して、より強力になります。 ②コスト削減 PoWにおけるマイニング(計算・演算)の際、高額な電気代が発生します。PoSの場合、マイニングを行う必要が無い為、電気代や設備代等のコストを大幅に削減できます。 ③競争に参入しやすい PoS移行によって、高性能コンピュータ等の高価な設備・技術を持たない一般人が競争に参入しやすくなります。 PoSのデメリット: ①一極集中が起こりやすい PoSでは、資産を保有する事によって利益が得られる仕組みとなる為、売買せずに溜め込む人が多くなります。しかし、Proof of Stake Velocity(コインの古さによって持ち分評価を下げる事)等の対策によって、この問題は解決します。 ②Stake Grindingやロング・レンジ等の攻撃 PoSに移行する事によって、Stake Grindingやロング・レンジ等(下記を参照)、様々な攻撃への対抗力が弱まります。 「There are also “stake grinding” attacks which require a trivial amount of currency. In a stake[2] grinding attack, the attacker has a small amount of stake and goes through the history of the blockchain and finds places where their stake wins a block. In order to consecutively win, they modify the next block header until some stake they own wins once again. This attack requires a bit of computation, but definitely isn’t impractical.」 (引用:https://en.bitcoin.it/wiki/Altcoin#Proof_Of_Stake) ロング・レンジ攻撃とは、攻撃者が、コインもデポジットもない”古い”鍵を持っていて、イベントに匹敵するバージョンを作り出すのにその鍵を使うことができるという攻撃 この攻撃は、伝統的なproof-of-stakeとセキュリティ・デポジットを基にしたPoSに対して、ジェネシス・ブロックで認証が終わるまで起きる基本的な攻撃 (引用:http://block-chain.jp/tech/long-range-attack/) 第4章【イーサリアムベースの他暗号通貨/トークン紹介】 イーサリアム・トークンとは? 「トークンセール、イニシャルコインオファリング(ICO)、イニシャルトークンオファリングまたはトークンジェネレーションイベント(TGE)として知られるプロジェクト開発のクラウドファンディングの方法として、dapp創設者によってよく作られます。ほとんどの場合、dappがリリースされるとき、トークンはそのdappの通貨または燃料として使われ、AWSクレジットと似たような役割を演じます。」 (引用:https://gatecoin.com/ja/ethereum/) それでは、DAppsの事例やDApps内で使用される通貨・燃料として頻繁に使用されるトークンの例を見ていきましょう。 AirSwap https://www.airswap.io プロジェクト概要 AirSwapとは、Michael Oved氏及びDon Mosites氏によって開発された「分散型ERC20トークン交換プラットフォーム」です。ERC20トークンを交換するための分散型P2PプロトコルであるSwapを実装したサービスであり、「取引所を介さずに個人対個人で直接ERC20トークンの売買」が可能になります。 オプションとして「Oracle」という機能を提供しています。 この機能を通じて、トークンの適正価格を世界中のマーケット/外部データソースから引っ張り出し、取引の際に参照する事ができます。AirSwapは、柔軟且つオープンな環境を提供し、トランザクションを促進すると共に、コスト削減や公正性(フロントランニングの防止等)を実現します。 AirSwapは一言でいうと、「分散型のERC20トークン交換プラットフォーム」です。この分散型交換システムは、英文表記するとDecentralized Exchangeとなり一般的に「DEX」と呼ばれます。ERC20トークンとは、ERC20という規格/基準に則って発行されたイーサリアムベースの仮想通貨で、この規格は9月12日にEthereum Foundationのエンジニアよって正式に制定されました。AirSwapは、Ethereumブロックチェーン上で、ERC20トークンを交換するための分散型ピアツーピアプロトコルであるSwapプロトコルを実装したサービスです。要約すると、Swapはプロトコルで、Swapを使ったサービスがAirSwapということです。 (引用:https://consensysmediajapan.com/2763.html) 今後のロードマップ AirSwapの公式ブログにて今後のロードマップが紹介されています。 (引用:https://blog.airswap.io/the-airswap-roadmap-1c1a3c3b20d3) Q4 2017 Token Trader:マーケットメーカーにP2Pを提供する Q1 2018 Token Market Place:DEXにおいて、P2Pを「当たり前の選択」にする Q2 2018 Partner Network:パートナーと組み、グローバルなP2Pネットワークを提供する   ICO概要 ・日時:2017年10月10日 午前10:10から午後10:10(EST) ・参加者数:12,719名 ・調達額:$12,600,000(約14億円)※2017年10月10日付近のレートで計算 ・トークン供給数:42,000,000AST Gnosis https://gnosis.pm プロジェクト概要 Co-Founders、Martin Koppelmann氏及びStefan D George氏によって、2015年1月より始動したプロジェクトです。Gnosisとは「イーサリアムベースの分散型予測市場プロジェクト」です。特徴としては、株式市場等の場面において、クラウド(群衆)の知恵を通じて将来の出来事を予測する先物取引のような仕組みとなっています。ユーザーはイベントの結果についてYESかNOを選択し(バイナリーポジション)、購入・トレードができます。 世界中のユーザーを接続するパブリックネットワークを提供し、限られた人材のみが意思決定を行う「中央集権型意思決定」から世界中の群衆が意思決定を行う「分散型意思決定」への移行を促進します。Gnosisは今後、保険、IoTやAI、金融市場等の様々な場面における活躍が期待されています。ConsenSys社も支持しています。 Gnosis(ノーシス)はイーサリアム上に構築された分散型予測市場プラットフォームです。Gnosisは誰でもあらゆるイベントの結果を予測できるオープンなプラットフォームを提供し、予測市場アプリケーションの作成やカスタマイズを劇的に単純化させることを計画しています。 GnosisはConsenSys社が支持するプロジェクトで、マーティン・コッペルマンとステファン・ジョージによって創業、2015年1月よりプロジェクトが始動しています。このFounderの2名は2013年に、ビットコインブロックチェーン上に予測市場プラットフォーム「Fairlay.com」を創業しています。 (引用:https://consensysmediajapan.com/2546.html) 今後のロードマップ Gnosisの公式ブログにて今後のロードマップが紹介されています: (引用:https://blog.gnosis.pm/2017-retro-and-the-year-ahead-42959d1380b5) Q2 2018 Crytoeconomic Experiments:暗号化経済における実験 Q1 2018 Reality Keys/Oracle Integration:Reality Keys等のプロバイダー統合 Q1 2018 GNO/WIZ Functionality:GNO/WIZ機能のリリース   ICO概要 ・日時:2017年4月24日 開始 ・参加者数:??? ・調達額:$12,500,000(約14億円)※2017年4月24日付近のレートで計算 ・トークン供給数:10,000,000GNO Blockmason https://blockmason.io/#home プロジェクト概要 Blockmasonは主に4つのプロジェクト(Credit Protocol, Foundation, Friend in Debt, Giftchain)に取り組んでいます。最終的にはこれらの4つのプロジェクトが相互的に連携しあい、一つのまとまったプロトコル/システムとして機能します。「送金=価値の移動」という概念から「権利の取引」への移行、また「分散型経済」における次ステップである「信用の民主化」の実現を図ります。チームはJared Bowie氏、Timothy Galebach氏及び Michael Chin氏の三名のCo-foundersを含みます。 Blockmasonはイーサリアムブロックチェーンのテクノロジーを駆使し、複数のプロジェクトを立ち上げ、相互的に連携し合うプロトコル/システムを開発しているチームです。主に貸借/信用に関する情報を、イーサリアム上に記録し取引できるよう目指しています。 今までの「送金=価値の移動」から「権利の取引」へ、本来イーサリアムが目指しているスマートコントラクトの概念を具現化するプロジェクトです。単なるキャッシュフローに留まらず、企業/個人はより大きな経済活動を行うことが可能になる仕組みと考えられます。 (引用:https://consensysmediajapan.com/2865.html) 4つのプロジェクトの基盤となるのが、Credit Protocolです。イーサリアム上で、貸借/信用/債務情報を記録・保管を可能にするプラットフォームです。下記ICO概要はBCPT(Blockmason Credit Protocol Token)のトークンセールに関する情報です。   ICO概要 ・日時:2017年10月8日〜11月8日 ・参加者数:??? ・調達額:$15,300,000(約17億円)※2017年11月8日付近のレートで計算 ・トークン供給数:33,700,000BCPT(トークン全体の29%) (引用:https://blockmason.io/creditprotocol/) Bancor https://www.bancor.network プロジェクト概要 2017年設立以来、イスラエルに本拠を置くBprotocol Foundationがリードし、Eyal Hertzog氏、Guy Benartzi氏、Galia Benartzi氏等のメンバーによって進められているプロジェクトです。「スマートトークン」という新世代の暗号通貨の標準を作る事を目的としています。第2次世界大戦後、ケインズとシューマッハが構想した世界の中央銀行としての役割を担う「幻の世界通貨バンコール」から、思想的影響を受けています。 「バンコール(bancor)は、1940年から1942年にジョン・メイナード・ケインズとエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハーが提案した超国家的な通貨のことを言う。第二次世界大戦後に世界経済を安定させるため、英国がブレトン・ウッズ会議でバンコールの導入を公式提案したが、アメリカ合衆国の合意をとりつけることができず、実現には至らなかった。」 (引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/バンコール) この新世代の暗号通貨は、市場における取引・売買量のバランスを保ち、継続的な計算に基づいた価格で提供されます。スマートトークンである「Bancor」は、ERC20(イーサリアムのトークン標準)の交換を行う為の「中間トークン」であり、リクイディティ・プールとして機能しながら市場に流動性の向上をもたらす事を目的とします。 プロジェクトはイスラエルに本拠を置くBprotocol Foundation(2017年設立)がリードし、LocalCoin Ltd.の主要メンバーであるエヤル・ハートゾグ、ガイ・ベナッティ、ガリア・ベナッティが中心となり開発が進められている。 バンコール・プロトコルは、イーサリアムのトークン標準であるERC20の交換をスマートコントラクトを用いて行うための中間トークンだ。Bprotocol Foundationは、バンコールのトークンであるBNTを「スマート・トークン」と呼び、イーサリアム・ネットワーク上のリクイディティプールとして機能させることを主眼においている。 (引用:https://btcnews.jp/5k8o872y11509/) 同社の公式ページ(https://www.bancor.network/protocol)によると、Bancorを用いる事によって、様々なメリットがあります: ・Convert tokens directly on-chain:トークンをオンチェインで交換 ・No counter party, no counter party risk:カウンターパーティのリスクを削減 ・All tokens welcome, big and small:値段や規模に関わらず、全てのトークンが対象となる ・Formulaic Price Stability:計算式による価格の安定性 ・Predictable Price Slippage:予測可能な価格スリップ ・Adjustable "Connector", adjustable liquidity:調整可能な「コネクター」及びリクイディティ ・Buy/Sell at same price, no spread:スプレッド無しに、同価格での売買   ICO概要 ・日時:2017年6月12日、10:00GMT 開始 ・参加者:10,885名 ・調達額:$152,300,000(約172億円)※2017年6月12日付近のレートで計算 ・トークン供給数:79,323,978BNT(トークン全体の50%) (引用:https://medium.com/@EthereumRussian/ico-details-of-bancor-network-bnt-tokens-8607bdc1685c)   トークンの配分/用途を表すグラフです: (引用:https://medium.com/@EthereumRussian/ico-details-of-bancor-network-bnt-tokens-8607bdc1685c) (引用:https://medium.com/@bancor/bancor-network-token-bnt-contribution-token-creation-terms-48cc85a63812) Grid+ プロジェクト概要 Grid+とは、ConsenSysチームが手掛ける、電力配電システムプロジェクトです。具体的には、パブリック・イーサリアム・ネットワーク上で登録と支払いを行う「分散型電力供給プロバイダー/マーケット」です。 グリッドの情報処理能力が発達していない為、電力コストの約38%が電力損失によるものです。Grid+は、既存のグリッドに新レイヤーを追加し、エネルギー市場の再定義を行うと共に、効率を上げるエネルギー配分方法を既存インフラに提供します。結果的には、リスクと管理コストを大幅に削減します。 「Grid +は、世界中のエネルギー界を再定義しようとする電力配電システムです。ブロックチェーン・ソフトウェア会社ConsenSysは、Grid +と呼ばれる新たな配電レイヤーの導入を発表しました。 イーサリアム・ネットワーク上に構築されているため、登録ユーザはリアルタイムで支払いを決済し、エネルギー使用を最適化することができます。 これにより、電力損失のために発生した管理コストが大幅に削減されます。」 (引用:https://consensysmediajapan.com/2938.html) ICO概要 ・日時:2017年10月30日 12:00PM(EST) ・参加者数:??? ・調達額:$44,713,000(約50億円)※2017年10月30日付近のレートで計算 ・トークン供給数:90,000,000GRID(トークン全体の30%)
マイクロソフトのAzure Stack、「エンタープライズスマートコントラクト」をリリース

マイクロソフトのAzure Stack、「エンタープライズスマートコントラクト」をリリース

2017/07/21 at 7:36 PM 0 comments
マイクロソフトのAzure Stackの最新ツールがエンタープライズレベルの相互運用性の促進を狙う   2017年7月20日、マイクロソフトは、Azureプラットフォーム上でのエンタープライズコンソーシアムブロックチェーンのエコシステム構築へのアーキテクチャアプローチである「プロジェクトBletchley」への新しいレイヤーである「エンタープライズスマートコントラクト」をお披露目しました。 発表で、Azureブロックチェーンエンジニアリングのマーリー・グレイ氏(プリンシパルプログラムマネージャー)が表明した点は、最初のEDCC(実行可能な分散コードコントラクト)が、懸念されていたエンタープライズレベルのプライバシー、スケーラビリティ、そしてパフォーマンス管理の能力の改善に失敗したということです。 エンタープライズスマートコントラクトはこの問題を解決できる予定です。なぜならグレイ氏が「Separation of concerns」と呼ぶものに取り組むことによりエンタープライズ向けに適切なソリューションを提供する能力を持つからです。 グレイ氏は、全ての個別のノードやその一部が、リソース集約型マシンであることを要求するのはおそらく実際的でないと説明します。彼は、「この『Separation of concerns』がなければ、企業はネットワークの最も低パフォーマンスなノードの能力によって制約を受けるでしょう」と語ります。 エンタープライズスマートコントラクトは基本的に6つのコンポーネントからなっています: スキーマ(Schemas):コントラクト実行の各要素に適用されるデータセット カウンターパーティー:コントラクトの条件に同意した主体の認証された身元 ロジック: カウンターパーティーとオブザーバーによるコンセンサスを持つスキーマで定義されたルール 外部ソース:コントラクトの実行を促すために必要となる外部要因のインプット 台帳(Ledger):スキーマによって定義される、ブロックチェーン上に保管されるコントラクト活動の改変不可な記録 コントラクトバインディング:上記要素の合成。コントラクトコンセンサスに関するカウンターパーティーと交渉中のバインディングが作成され、彼らが署名するとロックインされる。署名されると、コントラクトは履行に向け実行が開始される グレイ氏は「ブロックチェーンは分散化したデータベースを保持するノードによって形成されています。グローバルに分散し高度に利用可能なパブリッククラウドは、これらのネットワークをサポートするサービスに対し、素晴らしいコンパニオンプラットフォームを提供することができるため、「クラウド(cloud)」をブロックチェーンベースの台帳システム上にエンタープライズスマートコントラクトを実装する完璧なやり方になる」と語っています。 ブロックチェーン + クラウド クラウドは大規模にスケールされた共有ロジック実行プラットフォームをエンタープライズスマートコントラクトに提供する能力を持ちます。このプロトコルのネットワークをクラウド上で稼働する実際のコストはグレイ氏が「勘定を分ける」と呼ぶものを通じてカウンターパーティー間で分割されることができ、当事者はどのデータセンターがコントラクトのロジックを実行したかを追いかける必要がなくなります。 従来のビジネスロジックに対する様々な事例または新たな実装は往々にして、結果を計算するために特化したより高速なプロセッサやより多くのメモリを持つマシンを必要としました。ノードとして振舞うすべてのマシンにそのような能力が存在するのは現実的でありません。EDCCsに接するパブリックがトラストレスなデータの交換を維持するためには、トランザクションがネットワーク上の全てのコンピューターで実行されることを必要とします。一方で、エンタープライズの用途においてはそうではありませせん。Separation of concernsは、参加したカウンターパーティーを、「オフチェーン」でロジックの実行を行なえるよう活用することによってこの難題に取り組むものです。 グレイ氏によると: (引用) 「このコードはカウンターパーティー間で合意され、バージョン管理され、機密性、個別の信頼、そしてパフォーマンス、またロジックのアウトプットの整合性について、全カウンターパーティーの要求を満たすために必要な証明を提供する共有インフラで実行されることを可能にします」 EDCCのロジックがオンチェーンで動く一方でデータが暗号化されている場合、全てのノードがそれに対し計算を実施するためデータ復号化の能力を持つ必要があるでしょう。エンタープライズスマートコントラクトを利用することでカウンターパーティー間で共有されたデータとロジックのプライバシーを保つことができます。 各カウンターパーティーによる内部構造を生成するよう強いるより、むしろマイクロソフトAzureはエンタープライズスマートコントラクトを書くために必要なツールを提供するプラットフォームとしての役割を果たします。Azureのような共有プラットフォームは鍵管理、オープンAPIの構築、暗号的証明、そしてプラットフォーム間での抽象化された統合のような難しいタスクを実行できます。またプラットフォームはブロックチェーンの相互運用性、拡張可能なデータサービスプラグイン、そして.NETやJavaのような共通のエンタープライズ開環境を可能にします。 更にもう一歩踏み込み、エンタープライズ向けにプラットフォーム上で構築するためのツールを提供するため、Azure Stack上でエンタープライズスマートコントラクトフレームワークをマイクロソフトは開発しました。 エンタープライズスマートコントラクトフレームワークは、4つのメジャーなコンポーネントによって順に構成されています: シークレット、コントロール、そして設定:Azure Key Vaultに保管されさまざまな主体に適用されるシークレットへのアクセスを許可します。Azure Archive Directoryによって認証され、エンタープライズスマートコントラクトのバインディングを管理します。 ランタイム環境サービス:安全な相互運用とマイクロソフトAzureと他の各テクノロジー間のコミュニケーションを可能にするCryptletの実証された実行を提供します。開発者達は、根底のコードに関わらずどの言語でもCrypletを書くことができます。Cryptletは実証された実行環境で実行され、セキュアにシークレットを提供し、自動的に暗号的証明を生成します。 トランザクションビルダーとルーター:ブロックチェーン向けの特定のフォーマットへとCrypletメッセージを集め形式を整えます。そしてトランザクションを適切なブロックチェーンへルーティングします。 API: エンタープライズスマートコントラクトから大規模スケールでメッセージを送受信するため、セキュアで認証されたメッセージベースのAPIの公開を提供します。   マイクロソフトはフレームワークのやり取りの図を提供しています: エンタープライズスマートコントラクトは、エンタープライズレベルの効率にアクセスしプライバシーを保持しながら、異なるブロックチェーンプロトコル間で相互運用する方法を企業に提供します。 これらのシステム間の相互作用についてのもっと詳しい情報は、技術ホワイトペーパーで提供されています。   ライター:ジェレミー・ネーション/JEREMY NATION ジェレミー・ネーションはロサンゼルスに住む、テクノロジー、人権問題、そして料理に関心を持つライターです。ETHNewsのフルタイムスタッフライターで、ETHホルダー。 ETHNewsは自らの編集方針にコミットしています。 読んで面白かったですか?@ETHNews_で私達をフォローして、Azure、エンタープライズスマートコントラクト、またはその他のイーサリアム技術のニュースの最新情報を受け取りましょう。 (ソース元記事:https://www.ethnews.com/microsofts-azure-stack-releases-enterprise-smart-contracts)
スマートコントラクト/EDCC(実行可能な分散コードコントラクト)とは何か?

スマートコントラクト/EDCC(実行可能な分散コードコントラクト)とは何か?

2017/06/10 at 12:57 AM 0 comments
EDCCはしばしば「スマートコントラクト」と呼ばれます。 実行可能な分散コードコントラクト(EDCCs, “Executable Distributed Code Contract”)は、ブロックチェーン上で機能する電子的合意です。EDCCはユーザーが抱える共通の問題に対して、最小限の信用を用いて解決します。   例えば:アリスという女性がいたとします。彼女は18歳の誕生日に、祖母の車を相続します。これを容易にするため、ある合意が署名されました。この合意は、アリスの18歳の誕生日のある時間に、車の権限をアリスに移転させるというものです。これは両当事者の信用を伴う二つのイベントがあることを意味します。更にアリスは新しい車の保険を更新しなければなりません。   EDCC/スマートコントラクトは契約が透明かつセキュアに履行されることを確保します。 EDCCs/Smart Contracts ensure that contracts are fulfilled transparently and securely.   アリスと祖母が求める全条件が合意されると、これらのアクションが全てEDCC内に記述され、コントラクトは自動的に車の権限をアリスの名義に移転し、両当事者にこのアクションの発生を通知し、そして自動的に車両保険を更新することになります。   これはまだ非常に仮説的ではありますが、いかにスマートコントラクトが人々の生活を単純化するか見て取ることができたでしょう。EDCCsは本質的に、ほぼあらゆる種類の状況で利用できる合意です。例としては、車や資産の権限移転、結婚や離婚の合意管理、スポーツの各リーグへの賭け、学資ローンの支払い、そしてコントラクトに書き込むことが可能だと想像できるあらゆることが挙げられます。   (ソース元記事:https://www.ethnews.com/smart-contracts)