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ビットコイン,イーサリアム,仮想通貨,ICO市場に乗り出すVC

ビットコイン,イーサリアム,仮想通貨,ICO市場に乗り出すVC

2018/02/02 at 4:05 PM 0 comments
一般個人の投資家から機関投資家まで、仮想通貨への熱い注目が集まる状況が続いています。特に2017年は、企業が独自の仮想通貨(トークン)を発行し、投資家がビットコインやイーサリアム等でそれを購入するICOの流行が見られました。ICOのマーケット規模は急速に拡大し、2018年も既に多くのICOが予定されています。 今までベンチャー企業の資金調達手段の主流を担っていたベンチャーキャピタル(VC)は、どのようにこの潮流を見ているのでしょうか。 ベンチャーキャピタリストの仮想通貨に対する見解 米国の大手ベンチャーキャピタル3社(Benchmark, Venrock, Union Square Ventures)をピックアップし、それぞれのパートナーが仮想通貨やICOに関してどう捉えているのかを紹介します。 Bill Gurley (Benchmark) 「私たちはビットコインを保有しているし、これが馬鹿げたことだとも思っていない。グローバルにマクロの視点で考えたときに、金利が非常に低い状態で、金融資産を置く場所がない、自国の通貨を信用できないような国ではビットコインは価値保存のための最高の手段だと思う。ビットコインは詐欺ではない。これからも価値は高まると思う。(2017/11/17時点)」(2017/11/17 CNBCインタビュー) David Pakman (Venrock) 「仮想通貨がベンチャーキャピタルのビジネスをディスラプト(混乱)させるのは間違いないし、そうなってほしいと願っている。あらゆるものを民主化しうる点で私はテクノロジーに面白さを感じてきた。どんなアイデアでも成功するためにチャンスを与えられた方がいい。VCがゲートキーパーでなくなる時代を見たいと思っている。投資環境を広げ、多くの人々がテクノロジー起業家を後押しすることにより、ますます多くのプロジェクトが成功のチャンスを得ることができる。それはとても良いことだ。」 “What are your thoughts around crypto and the blockchain as it relates to venture capital? PAKMAN: There’s no question that crypto will disrupt the business of venture capital. And I hope it does. The democratization of everything is what has excited me about technology from the beginning. It’s better for everyone if there are fewer gatekeepers. I hate gatekeepers. I hate them in the music business, I hate them in the entertainment business, and I hate them in VC. Why should I decide if your idea is going to succeed or not? Every idea should get a chance to succeed & the ones that do, do. I’d like to see us reach a point where VCs are not gatekeepers.” (引用:http://fortune.com/2018/01/10/crypto-disrupt-venture-capital/) Fred Wilson (Union Square Ventures) 「VCは、仮想通貨の世界でも自分たちに果たせる役割は残っていると主張する。ユニオン・スクエア・ベンチャーズの共同創設者フレッド・ウィルソン氏は『あなたの通貨を買った投資家は公開市場の投資家と同じく、明日には、あるいは来月、来年には背を向けて次の大きなテーマに移ってしまうかもしれない。VC、少なくとも最良のVCなら、良い時も悪い時もあなたの企業と一緒だ』と訴える。」     (引用:https://jp.reuters.com/article/usa-venturecapital-digitalcurrency-idJPKBN1AA0B9) 上述のように、ICOの流行をマクロ的にプラスなものとして楽観視するベンチャーキャピタリストもおり、投資家としての職を失う懸念へ必ずしも繋がっているわけではないようです。ICOを通じた資金調達では得ることのできない経営面の助言やネットワーク、長期的に安定したバックアップ等を提供できる点がVCの強みとなっていくと考えられます。 仮想通貨ヘッジファンドへの投資 MetaStable Capital サンフランシスコのヘッジファンドであり、ビットコイン・イーサリアム・モネロ等の仮想通貨を12種類程保有しているとされています。2017年春の時点で、Andreessen Horowitz, Sequoia Capital, Union Square Ventures, Founders Fund, Bessemer Venture Partnersなどの名だたるVCが同社のファンドに出資していることがわかっていますが、メディアのインタビューには全く応じておらず、現時点で多くのことは明かされていません。FORTUNEによると、ファンドの収益率は2014年の運用開始以来1000%を超えていると推定されています。 Polychain Capital Coinbaseの創業メンバーのひとりであるOlaf Carlson-Wee氏によって2016年に立ち上げられたヘッジファンドで、ICOしたブロックチェーン関連企業へのトークン投資に特化しています。Andreessen Horowitz, Union Square Ventures, Founders Fund, Bessemer Venture Partnersが、同社のファンドへ投資していることが明らかになっています。信用調査機関等に頼ることなく、プロトコルについて記述されたホワイトペーパー上の情報や開発者へのインタビューを通して投資先を選定しています。 ビットコインへの直接投資 Founders Fund シリコンバレーのVCであるFounders Fundが、運用中のファンドいくつかを通して$1500~2000万相当のビットコインを保有していることが、ウォール・ストリートジャーナルの報道(2018/1/2)によって明らかになりました。同社がどの時点でビットコインを購入したのか、そして既に売却したのか、それとも保有した状態なのかは不明です。しかし直接投資に加え、上述のMetaStable Capital, Polychain Capitalへも出資していることから、同社の仮想通貨市場への期待の大きさが伺えます。今回の報道によってビットコイン価格が13%上昇し、話題となりました。 仮想通貨がもたらしたイノベーション 米国市場では続々と大手VCが仮想通貨市場へ参入しており、ビットコイン・イーサリアムへの投資にとどまらず、ICOトークンを投資対象とするファンドへの出資にも意欲的であることがわかります。 VCからの資金調達の代わりにトークンの発行による資金調達、IPOやM&Aというエグジットの代わりに仮想通貨取引所への上場、というようにベンチャー企業のライフサイクル(創業・資金調達・事業拡大・エグジット)にVCが関与しない形を可能としているのがICOの特徴です。 一部の限られた金融ビジネスや経済活動が、より多くの人に開かれるようになり、金融の民主化が進んでいると言えるでしょう。 ベンチャーの産業構造・エコシステムに影響を与えうる仮想通貨の台頭に多くのVCが関心を寄せており、ICOを通した新しい経済の形が社会的に定着する日もそう遠くはないかもしれません。